拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

教えるということ

あなたへ


人に教えることって難しいよね


先日、武道のお稽古から帰って来たあの子は、
近頃、武道で悩んでいることを話をしてくれました。


帯の色が変わり、
後輩たちに、教える立場になったあの子。


担当しているのは、小学校低学年の子たちだそうで、
あの子にとって、それはとても難易度の高い課題のようです。


何度、注意をしても話を聞かない子の対応に困っていること


他の先輩のように叱ることが出来ず戸惑っていること


自分より小さな子に強く叱ることへの抵抗を感じているあの子は
なんだか舐められてしまっていること


教える立場になってからのあの子の悩みは、尽きない様子。


大先輩方のやり方は人それぞれで、


特に怒鳴るわけでもなく、
普通にしているだけで、何故か皆が黙って言うことを聞く先輩


絶対に笑顔は見せず、常に怖い顔をしている先輩


様々な先輩たちの姿に学びながら、
あの子はまだ、
自分のやり方を見つけられないでいるようです。


今日は先輩に怒鳴られたよ
言うことを聞かないで、ふざけている子がいるだろ
ちゃんとさせろって。


そう言いながら、ちょっとヘコみ気味だったあの子。


あの子の指導の仕方を指摘されることはあるけれど、
先輩たちは、あの子に、
どうすればいいのかの答えはくれません。


色々考えて、
自分のやり方を見つけてごらん


練習終わりに、先輩から呼び出されたあの子は、
最後にそんな話をされたようです。


教えるということ


確かに、やり方は人それぞれで、
答えはひとつではありません。


指導する立場になり、
あの子の前には、また新たに、
乗り越えなければならない壁が出来ました。


あの子は、最終的にどんな答えを見つけるのでしょうか。

 

半年後、1年後のあの子の成長がとても楽しみですね。

 

 

 

織姫と彦星

あなたへ

 

今夜は、ベランダに出て、空を眺めていました。

 

薄い雲の向こうに見える星空を見上げながら、
天の川で再開した織姫と彦星と、
私たちを重ね合わせていました。

 

もしも、今夜、私たちが、織姫と彦星になれたのなら、
どんな時間を過ごすのでしょうか。

 

私は、きっと、時間よりも早くに着いて、
あなたを待つ時間を楽しむのでしょう。

 

あなたに逢えたら、何から話そうか。
あなたは、どんな話を聞かせてくれるのかなって、
ひとりでに溢れてしまう笑みを隠すように、俯きながら、
あなたが来るのを待つのよ。

 

私を見つけるのが、いつでも上手だったあなた。

 

きっと、あなたは、遥か遠くから、
私があなたを見つけるよりも先に、
私の姿を確認し、ゆっくりと微笑みながら、歩いて来るの。

 

そうして、やっと逢えた私たち。

 

私はきっと、あなたの姿を見た瞬間に、
話したいことや、聞いてみたいことは、
全部忘れてしまうのかも知れません。

 

話したいことも、聞いてみたいことも、山ほどあったはずなのに、
あなたの名前を呼んだだけで、
後は黙って、ただ、見つめ合いながら、
その手の温かさを感じるだけでいい。
そんなふうに、思うのだと思います。

 

時間が許す限り、
ただ、あなたを見つめながら、
私は、きっと、
瞬きをすることさえも忘れてしまうのよ。

 

あなたは、どんな気持ちで、
こちらを見つめるのでしょうか。

 

今夜、もしも、あなたと逢えたのなら、
言葉なんていらないのかも知れません。

 

きっと、見つめ合うだけで、
お互いの愛を伝え合うことが出来るのでしょう。

 

今夜、あなたは、何を想っていますか。

 

私は、夜空を見上げながら、あなたを想いました。

 

そちら側のあなたが、幸せでありますようにと。

振り返りながら生きること

あなたへ


後ろを振り返りながら
堂々と生きることにします


そんなふうにあなたに報告したのは、
丁度、1年前のことでした。


自分なりの生き方をみつけた私は、
あなたに報告できたことで、
自信を持って、この1年を過ごせたように思います。


後ろを振り返りながら生きるだなんて、
なんだか、今にも転んでしまいそうで、
前向きではないやり方にも感じますが、
私にとっては、そうすることが、
前を向いて生きることに繋がることを知りました。


振り返れば、いつでもそこに待っていてくれるあなた。


どんなに後ろを振り返っても、
あの頃のあなたが、
泣いている私を抱きしめた後で、
必ず、私の背中を押してくれるから、
私は、安心して後ろを振り返ることができるのかも知れません。


あなたが、あなたで良かった。


あの日、あなたは、息を引き取り、
今を一緒に過ごすことは出来なくなってしまったけれど、
過去のあなたは、何処にも行かない。


何度も、何度も、後ろを振り返りながら、
あなたと一緒に積み重ねてきた時間は、
今もここにあって、
私と共に、生き続けてくれていることを知りました。


こうして、あなたへの手紙を書き始めて、

今日で2年が経ちました。


あなたに手紙を書くという、
私にとっての掛け替えのない時間の中、
私は、色々なことに気付くことができたように思います。


もしも、あなたが、
何処かでこの手紙を読んでくれているとしたら、
どんな顔で、読んでくれているのでしょうか。


何故だか分かりませんが、
何処かであなたは、とても優しい顔で、
少し俯きながら、
黙ってこの手紙を読んでくれているような気がしました。

 

OFUSEで応援を送る

 

 

www.emiblog8.com