拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

得体の知れないものへの恐怖

あなたへ

 

時々、急に怖くなる時ってあるよね

例えば、

誰もいないはずなのに、

影が見えた気がする

とか、

誰かの気配や、視線を感じた気がするとかさ

 

先日、雑談から、

得体の知れない何かに怯える時がある、

という話になりました。

 

そんな日は、シャンプーする時、目を閉じるの怖いよね

 

誰かの言葉に爆笑しながら、

私にも、確かにそんな過去があったことを思い出していました。

 

気のせいかも知れないけれど、

どうしても、気のせいだとは思えない、なんだか怖い気持ち。

 

特別な力など、何も待ち合わせてはいないはずの私ですが、

思えば、私にも、時々、そんなことがありました。

 

大人なのに、よく分からないものに怯えるだなんて、

なんだか恥ずかしくて、誰にも言えないままに、

気のせいだと、

無理矢理、自分に言い聞かせながらも、

シャンプーをする時には、しっかりと目を開けていたのでした。

 

それは、あなたを見送るまでの私でした。

 

思い返してみれば、あなたを見送ってからの私は、

あの頃、こっそりと怯えていた、正体の分からぬものに、

怯えることがなくなっていました。

 

とはいえ、相変わらず、怖い話は苦手で、

その手のものがテレビで放送されれば、

すぐにチャンネルを変えてしまいますが、

あの頃のように、

ふと、怖いと感じることはなくなり、

その代わりに、時々、感じるようになったのは、

あなたの気配と、あなたの体温によく似た、温もり。

 

今の私は、時々、ふと、

目に見えぬあなたを感じては、

とても安心出来るような、

胸の奥が温かくなるような、

不思議な気持ちに包まれるのです。

 

それ、俺じゃなかったら、どうするの?

 

なんて、あなたは、笑うのでしょうか。

 

大丈夫。

証拠がなくてもね、私には分かるの。

 

そっと、優しく、包み込むみたいなその温かさは、

あなたが何処にいても、きっと、変わらないもの。

 

思えば、私に似て、とても怖がりだったあの子も、

あの頃から、怖がりではなくなりました。

 

一番怖いのは、悪い心を持って近づいて来る人間だと、

いつか、あの子と話し合ったことがありました。

 

失礼だけどさ、

今のお父さんは、どちらかと言うと、

あっち側の人じゃん?

だから、今の俺たちは、

目に見えないものを、怖いと思わなくなったんだと思うよ

 

そんなあの子の言葉に、笑ってしまったけれど、

それは、いつの頃からか、

私の中に抱いていた気持ちと、同じものでした。

 

得体の知れない怖いもの

そんな雑談に加わりながら、

 

今のあなたは、

怖がりだった私たちを、得体の知れないものから、

そっと、守ってくれているのかな。

 

ふと、そんなことを考えました。

 

 

 

 

 

 

1ページ目はこちらより↓

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あなたの隣で眠ること

あなたへ

 

私の隣で、あなたが眠っている夢を見ました。

 

目が覚めた私の隣で眠るあなたの姿に安堵し、

夢の中の私は、もう一度、目を閉じたのでした。

 

目覚まし時計の音と共に、

いつも通りに目が覚めた私ですが、

なんだか、とても眠くて、起き上がる気力もなく、

そのまま、布団の中で、

夢の中を反芻しては、ウトウトと、

気が付けば、随分と寝坊してしまった私。

 

あーぁ、半日、無駄にしちゃったな

 

なんて言いながらも、

遅い1日の始まりは、

体も、心も、とてもスッキリとしていました。

 

近頃、ずっと、寝不足気味で、

ボーッとしてしまうことも、しばしばだった私。

 

あなたは、そんな私の体を心配して、

夢の中、側で眠ってくれていたのでしょうか。

 

目が覚めると、隣にあなたがいる。

 

それは、あの頃の私にとって、当たり前の毎日でした。

 

当たり前が、当たり前ではなくなり、

もう、夢の中でしか、

触れることが出来なくなってしまったあなた。

 

逢いたい時に、こちらから逢いに行くことも出来ずに、

こうして時々、

あなたが逢いに来てくれるのを、

待つしかなくなってしまったけれど、

あなたはいつでも、私にとって、

必要なタイミングで、ちゃんと逢いに来てくれる。

 

ありがとう。

 

あなたの側で、たくさん眠ったから、

元気になったよ。

 

明日から、また、頑張るね。

 

 

 

コトバ -母へ-

私が 

貴女を始めて

お母さんと呼んだ日を 知っていますか

 

あれは彼の告別式を終え

間もなくのことでしたね

 

庭の畑

 

貴女が大切に育てた野菜を

一緒に収穫しながら

まるで世間話でもするかのように

不意に言ってくれたのでした

 

あなたは嫁ではなく娘だからね と

 

その言葉は

血の繋がりを超えて

私のところに届いた

貴女からの深い愛情でした

 

お母さん

お義母さん

どちらも呼び方は変わらない

 

おかあさん

 

私はあの日から

そっと

貴女のことを

お母さんと呼んでいます

 

貴女はきっと

ひとりで

たくさん泣いたのでしょう

 

本当なら

人目も憚らずに泣いていた私のように

貴女だって泣きたかったはずなのに

 

それなのに

 

貴女は私のことを気に掛けて

たくさんの愛をくれましたね

 

本当にありがとう

 

貴女のあの言葉は

私の励みになり糧となりました

 

お母さん

 

貴女の目の前に

掛け替えのない大切なものがありますね

 

今 とても幸せだよ と笑ったあの日の貴女は

とても綺麗でした

 

貴女の瞳に映る景色が

ずっと

ずっと

鮮やかであり続けますように

 

私は少し離れた場所から

そっと貴女を想っています

 

彼を生み

育ててくれた貴女が

いつまでも幸せでありますようにと

 

恥ずかしがり屋な私は きっと

何度会っても

この気持ちを

貴女に伝えることはないのでしょう

 

言葉で伝える代わりに

 

ここに

そっと

私の気持ちをコトバにして

 

 

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