拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

コトバ

コトバ -その温もりを、そっと届けてくれる人へ-

私が悲しくなるときっと遠くから飛んで来てその温もりをそっと私のところに届けてくれる人へ その姿が見えなくてもそっと寄り添ってくれるところはあの頃と何も変わらないね 苦しくて悲しい時泣き出しそうな私を優しく包んでくれるかのように背中に感じる温…

コトバ -春-

春の風を 覚えていますか春の色を 覚えていますか春の匂いを 覚えていますか その髪を揺らす爽やかな空気をその瞳に映る鮮やかさを鼻を擽る甘い香りを覚えていますか 一緒に過ごした初めての春 あなたを呼ぶこの声をあなたの手を握るこの指の感触をあなたを…

コトバ -夢の中-

彼はいつでも突然に逢いに来る それが当たり前かのように 笑ったり話したり手を繋いだり そして私も当たり前に彼に笑いかけるんだ さっきの時間の続きみたいに そこは夢の中 目が覚めると目覚めてしまったことに少しだけ後悔しながら彼との時間を思い出す 彼…

コトバ -過去へ-

今 隣にいる大切な人が居なくなったことを 想像したことはありますか 当たり前だった日常が突然に終わった日のことを 想像したことはありますか 喧嘩をして意地を張ったまま いつでも謝ることが出来ると思っていませんか 当たり前にいつでも 大切な人のただ…

コトバ -冬-

冬の色を 覚えていますか冬の音を 覚えていますか冬の匂いを 覚えていますか その瞳に映った景色その耳で感じた季節冬の澄んだ空気の匂いを覚えていますか 一緒に過ごした初めての冬 寒がりな私の冷たい指先震える私を優しく包んでくれたこと 私の温度を覚え…

コトバ -テイルランプ-

暮れゆく街並み家路を急ぎながら慣れない道に失敗した左折専用車線 真っ直ぐに行きたかったんだけどな なんて独り言を言いながら流れに乗って進んだ先は街中へと続く渋滞の列だった 上り坂何処までも続くテイルランプと街のネオンがキラキラ光る 急いでいる…

コトバ  -クリスマスツリー-

もうすぐクリスマスだよ 白い息を吐きながら見上げた空に光る たくさんの星に3人で見たイルミネーションを思い出したよ いつか大きなクリスマスツリーが欲しいねって言ったら彼は笑って言ったんだ どこに置くのって 決して広いとは言えなかった3人で暮らした…

コトバ -秋-

秋の色を 覚えていますか秋の音を 覚えていますか秋の風を 覚えていますか その瞳に映った景色その耳で感じた季節その肌で感じた温度を覚えていますか 一緒に過ごした初めての秋 少し肌寒い夕暮れにふたりで寄り添ったこと 私の温度を 覚えていますか 自然が…

コトバ -弱虫の抜け殻-

平坦で石ころのひとつも落ちていない道のど真ん中でうずくまった 彼が守ってくれていた世界はもう何処にもないのに怖くて踏み出せない一歩に私は自分の足を呪った 自分の居場所はここではないと分かっているのに一歩が踏み出せない私は弱虫だ 坂道でもなく石…

コトバ  -夏の音- 2017

今年もまた夏が来たよ 今年の夏は曇り空続きでなんだか物足りないけれど 厚い雲に覆われたこの空の向こうはいつでも晴れているんだろうな 見上げた空にあの夏を重ね合わせゆっくりと足を止めた 出会った日の事を覚えていますか? 日焼けした彼の笑顔を思い出…

コトバ -彼色の魔法-

空虚なこの心に鮮やかな虹が架かるのを見たんだ あの日 私は彼に恋をした 夕陽に赤く染まるように 私色の世界に彼色が染まる ゆっくりと静かに色鮮やかに 私の目に映る景色は少しずつ違って見えんだ 彼色に染まっていく私の目に映る景色は全てが素敵で色々な…

コトバ -彼からの贈り物-

梅雨の中休み夏雲が浮かぶ空を見上げたらハートの形の雲を見つけた 彼からの贈り物だろうか なんて都合のいい事を考えながら無意識に緩んだ口元 元気ですか?こちらはもうすぐ夏になりますあなたと出会った夏が来ます 返事は聞こえなくてもいい きっと空に近…

コトバ -願い事-

お星様に願い事をひとつ彼に逢わせて下さいと 叶わぬ私の願い事は頬に伝う雫となった 空の彼方に想いを寄せて巡る過去に幸せ見つける 逢えぬ痛みと苦しさは彼も同じではなかろうか 空の彼方お星様に願い事をひとつ こちらに戻りたいと願っているのだろうか …

コトバ -赤い糸-

運命の赤い糸って信じる? 私は信じてる あの時もしもあの場所にいなかったら私達は出会わなかった あの時もしもあなたと話す事がなかったら二度と会う事はなかった でもあの時私達は同じ場所に居合わせ 話をしまた会おうねって約束をした 運命の赤い糸って…

コトバ -わたしへ-

雨の日には 泣いてもいいんだよ 雨はその涙をそっと隠してくれるから 雨の日には 弱音を吐いてもいいんだよ 小さくついたそのため息はきっと雨音が消してくれるから 俯いて独り言 辛いんだ寂しいんだ上手く笑えないよ だってさ・・・ 逢いたいよ逢いたいよど…

コトバ -幸せのカケラ-

色鮮やかな過去の世界に広がる幸せのカケラを集めた ひとつ またひとつ と 大切に拾い集めた幸せのカケラを繋ぎ合わせては大切な人を思い浮かべた 鮮やかに蘇る 笑顔 仕草 声 温もり 言葉 優しさ 愛 こんなにも こんなにも側にいてくれたんだね どんなに拾い…

コトバ -繋ぐ-

繋いだその手の温もりは忘れないと誓った生きた証 大きな温かいその手はいつでもこの手を包み込んでくれました その手の中冷たい指先の温度を覚えているでしょうか 暖めるようにぎゅっと握りしめてくれたポケットの中 小さな幸せがこぼれ落ちないようにその…

コトバ -しあわせ-

朝 目が覚めるということ 朝日が眩しいということ 元気な行ってきます の声が聞けるということ 空が綺麗だということ 素敵な雲の形を見つけたこと 穏やかな風に緑が揺れる音が心地良いということ 美しい夕焼けに感動出来るということ 元気なただいま の声が…

コトバ -トンネル-

此処は暗闇 どんなに目を見開いても何も見えない 時に足元を慎重に確かめながら時に壁を伝いながらゆっくりと歩を進めて行く 暗闇の中隣にはあの子の温かさが伝わる 繋いだその手は頼りなかったあの頃から随分と強く逞しくなった 遥か向こうに小さな光が見え…

コトバ -道しるべ-

私が道に迷わないようにと彼は道しるべを遺していった 彼には目標とする場所があったそれはとても漠然としていて抽象的で けれどもしそこを見つけ辿り着けたのならきっと幸せになれる場所だ 彼が見たかった景色はどんな景色だったのだろうか 彼を見送り漠然…

コトバ -春-

春の穏やかな日差しは何だか心地よくてそのまま眠ってしまいたくなる ベランダに出て春の光を浴びながら目を閉じてみた 私を包み込む暖かな光はなんだか少し懐かしい気がした 目を閉じながら気が付いたんだ彼の隣とよく似ている と そうか 彼の隣は春みたい…

コトバ -彼の世界-

彼の遺影と話す夢を見たのはこれで2度目だ彼は言った 遊びに来てみる? そんな彼の言葉に頷くと彼は私の手を取り遺影の中に入れてくれた 遺影のあちら側には彼が今いる場所があった ここでは自分の好きな事が出来るんだよ そう言って彼はその場所を案内して…

コトバ -宝石箱-

彼と一緒に過ごした日々の何気ない会話当たり前だった日常の中彼はたくさんの言葉をくれた それは時に 傷付く言葉であったり時に 鋭い指摘であったり当時はどうしても素直に受け取れない言葉もあった 時に 思い出すだけで にやけてしまう甘い言葉や あの頃 …

コトバ -大切なもの- 

彼を看取った後 しばらくの間彼と過ごした時のまま部屋のものを何も変えずに時間を過ごした 結婚したばかりの頃は広く感じた家の中も気が付けば時間と共に 家族3人のものが増えていきいつの間にか 当時よりも狭くなっていたけれどそれは家族3人で時を過ごし…

コトバ -波-

彼に逢いたい彼の声が聞きたい何処にいるの?寂しいよ 彼の分まで頑張ろういつか彼に逢えたらたくさんのいい報告が出来るように頑張ろう それは寄せては返す波のように繰り返す私の気持ち 逢いたい頑張ろう逢いたい頑張ろう 繰り返し 繰り返しやってくるその…

コトバ -星空-

今夜も星が綺麗だった 澄んだ空気に光るオリオン座を見つけた 「オリオン座しか覚えていない」いつかの星空の夜彼にそんな話をした事を思い出すあの時 彼は星座を教えてくれたんだっけ あの星はね 見える? あっちの星がね そうだあの時 彼は北斗七星やおお…

コトバ -魔法の言葉-

辛い時 苦しい時不安な時 彼の言葉を思い出して なんとかここまで辿り着いた 寂しい時悲しい時落ち込んだ時 必ず彼の言葉が浮かんだ 「大丈夫」 それは彼がよく私に言ってくれた言葉だった 元気がない時にも落ち込んだ時にも 彼は必ず 大丈夫 大丈夫 そう言…

コトバ -心の電話-

もしもし? あなた? 元気にしてる? 私もあの子も元気だよ あのね 今日は あの子がね・・・ あのね 今日は夕日が綺麗だったよ あのね 大好きだよ あなたは今 どんなところにいるのかな・・・ 彼のところまで繋がる電話があればいいのに 迷った時 困った時 …

コトバ -空-

昔から空を眺めるのが好きだった 青空の中にポッカリと浮かぶ真っ白な雲 厚い雲の隙間から降り注ぐ太陽の光 ひとつとして同じ空はなく 好みの空を見つける事が出来た日は 幸せな気持ちになった 彼と結婚し あの子が生まれ あの子の成長と一緒に その日の空の…

コトバ -DM-

時々 ポストに彼宛のダイレクトメールが届く きっと彼が会員になったり 住所を書いた先であろう店から届くものだ 彼がいた頃は 届いていたよ そう言って手渡していたが 彼は さほど興味もなさそうに眺めていただけだった 彼がいなくなってからも相変わらず …