拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

手紙

恋文

あなたへ 今日は、ラブレターの日って知っていましたか。 5月23日、恋文の日だそうですよ。 これまで、たくさんの想いを文字にして、 あなたへと綴ってきた手紙たち。 改めて、恋文だなんて、なんだか少し、照れてしまうけれど、 こんな日だからこそ、あなた…

出会うべく人

あなたへ あの高校へ行ったこと、後悔してる あの子が、初めてそんな言葉を口にしたのは、 高校1年生の頃のことでした。 友達と過ごす時間は楽しいけれど 勉強する意味が分からない これは、その頃から、度々、あの子が口にした言葉。 高校へ入学し、少しず…

肩揉み

あなたへ 幼い頃、お爺ちゃんの肩揉みをした記憶があります。 上手だね お爺ちゃんの背中越しに聞こえたその声が、とても嬉しかったことは、 大人になっても、時々、蘇った私の小さな思い出でした。 近頃、肩凝りが酷いあの子。 私なりのやり方で、あの子の…

前世のあなた

あなたへ 前世のあなたに、恋をしてしまいました。 なんて言ったら、 あなたは、どんな顔をするのでしょうか。 それは、夢の中での出来事でした。 山の麓にあるお墓で、お線香をあげ、手を合わせていると、 いつの間にか、私のすぐ側に、お爺さんが立ってい…

水筒

あなたへ 仕事用の水筒を眺めながら、ふと、 古くなってきたから、買い換えようか そんなことを考えた私は、 この水筒を買った日のことを思い出していました。 あれは、いつ頃のことだったでしょうか。 家族3人で、買い物へ出掛けた日。 水筒、買い換えたい…

今、私がやるべきこと

あなたへ 恋人がいない時や 出会いがない時は 自分磨きをしなさい そんな言葉があるでしょ? 私は今、次にあなたに会えた時に、 とびきりのいい女として出会うために、自分磨きに精を出しています。 なんて言ったら、 あなたは、どんな顔で笑うのでしょうか…

どうにかなるさ

あなたへ お母さん! 俺の質問に答えて! 突然、興奮気味に私の部屋に入ってきたかと思えば、 私に、幾つかの質問をしたあの子。 2+2は? 4+4は? 8+8は? 16+16は? 最初に浮かんだ野菜の名前は? 人参 そう答えた私に、あの子は、 怖い! 怖いよ!と大騒ぎ…

いつかの公園

あなたへ 携帯電話の機種を変えた私たちは、 そのカメラ機能を存分に楽しむために、 連休中には、絶対に公園へ行こうと話し合っていました。 いつもは行かない公園に行こう きっと、お母さんが気に入る場所だと思うよ そう言って、あの子が案内してくれた公…

令和最初の日の出来事

あなたへ 丁度、5年前。 家族3人で、 最後に過ごしたゴールデンウイークを、覚えていますか。 海に行きたい そんな私のリクエストに応えてくれたあなた。 岩場で、イソギンチャクや小魚を観察しながら、 初めて海にいるヒトデを見つけた私たちは、大興奮でし…

令和元年

あなたへ 新しい時代が始まりました。 令和元年です。 昭和、平成、令和と指折り数え出したあの子は、 お母さん、婆ちゃんじゃん なんて、言い出しました。 おばちゃん等ではなく、婆ちゃんです。 あの子と一緒に笑いながら、 昭和から、平成に変わった頃の…

平成最後の日

あなたへ 間も無く、平成が終わります。 平成31年。 この半分と少しを、あなたと共に過ごしてきましたね。 時代の流れと共に、その頃の流行りだったものを楽しんだり、 ニュースを観ては、一緒に胸を痛めたり、 それについて話し合ったり、 あなたと一緒に、…

あなたの巣立ちの日

あなたへ あなたが将来の道を決めた日のことを話してくれたのは、 私たちが出会ってから、 どのくらいが経った頃だったでしょうか。 中学生の頃に夢見た道とは違った道を歩むことに決めたのは、 あなたが高校生だった頃のこと。 高校生活の中で、その将来を…

看取る側

あなたへ あなたは、覚えていますか。 いつか2人とも年老いて、その最期の時の話をした日のことを。 私のこと、看取ってね そんな何気ない私の言葉に、 は?嫌だよ なんて、本気で怒っているように見えたあなたの顔。 あの日のあなたの顔ときたら、 なにもあ…

永遠の愛

あなたへ 運命の人は2人いる 1人目は、愛することと、失う辛さを教えてくれる人 2人目は、永遠の愛を教えてくれる人 こんな言葉を目にしました。 あなたがそうであるように、 私にも、過去の恋がありました。 あなたと出会う前の、遠い昔の恋。 それぞれの素…

ガラスの向こう側

あなたへ あら? その道を入った奥のお宅のお嬢さんよね? 突然、そんなふうに声を掛けられたのは、 まだ幼かったあの子の手を引いて、 実家近くの小道を歩いていた時のことでした。 え?あ、そうです 突然の声に驚きながら、立ち止まると、初めて見る年配の…

見守ることの難しさ

あなたへ 男の子にとって、 本当の意味で、父親が必要になるのは、中学生になった時。 これは、我が子が男の子だと分かった日から、 私が漠然と考えていたことでした。 男の兄弟がいない私にとって、 男の子の反抗期は、未知の世界でした。 男子中学生の反抗…

探検

あなたへ 先日、何故か、急に思い立って、 歩いて近所のスーパーへ買い物に出掛けた私は、 帰り道に、これまで通ったことのない、 スーパーのすぐ横にある、細い道へと進みました。 それは、 近道が見つかるかも知れないという好奇心からでした。 初めて通っ…

あの子の策略

あなたへ あの子の携帯電話の調子が悪くなったのは、 年が明けてからのことでした。 突然に、通話が出来なくなってしまったあの子の携帯電話。 試行錯誤しながら、 一度電源を落とせば、少しの間だけ、通話が出来るようになることを確認しました。 早めにメ…

この世界の美しさ

あなたへ 厳しい寒さを通り過ぎて、 こちらでは、すっかり暖かくなりました。 満開に咲いていた桜の花が少しずつ、緑色へと変わる姿に、 季節の始まりを感じます。 日々の生活の中、よく周りを見渡してみれば、 ピンクや赤、黄色、白と、色とりどりの景色へ…

反抗期を振り返るあの子

あなたへ 先日の朝のことでした。 俺ってさぁ、 反抗期の時、お母さんに随分と酷いことしたよね 寝起きから、突然、そんなことを言い出したあの子。 聞けば、前日の夜、眠る前に、 突然、中学生の頃のことを思い出したようでした。 あれは、あの子が中学3年…

乗り移る

あなたへ 乗り移るってあると思う? 霊と呼ばれる存在が、誰かに乗り移って、 例えば、話をしたり、 何かをするとか、 そんなことってあるのかな 先日のあの子の言葉に、 きっと、あると思うよ 私は、即答しながら、あなたを見送ってから度々起こった、 不思…

春の小さな思い出

あなたへ こちらでは、桜が満開に開き、 風が吹くと、ヒラヒラと、花びらが舞う時期になりました。 通勤途中の信号待ちの時間。 満開の桜を眺めながら、 ふと、幼かった頃のあの子のことを思い出しました。 あれは、あの子が幼稚園へ入園し、間も無くの頃の…

移りゆく景色が思い出させてくれたこと

あなたへ あなたと一緒に何度も行った、大型のスーパーの向かい側。 広い畑が広がっていて、敷地の奥にはビニールハウスがあったあの場所に、 新しく、別な系列の大型スーパーが建ちました。 この辺りで育った私にとって、あの畑の辺りは、 幼い頃からの記憶…

ジョニー

あなたへ 幼い頃は、寝起きが良かったあの子。 あの子を朝起こすのに、苦労をすることは、 きっと、これから先もないのだろう、なんて考えていたあの頃の私は、 今、思えば、とても浅はかでした。 高校生活にも慣れ、 夜更かしをすることが多くなったあの子…

桜の木が並んだ土手の上

あなたへ 車で通り掛かることはあるけれど、 これまで、一度も歩いたことがなかった、 桜の木が並んだ、川沿いの土手の上。 春になるとピンク色に染まるあの道は、 いつかあなたと一緒に歩いてみたかった場所でした。 先日、あの場所を通り掛かったあの子か…

あなたにも食べさせたかったもの

あなたへ 先日、あなたの家族と一緒に、蕎麦を食べに行きました。 あなたの実家のすぐ側に出来た蕎麦屋さん。 店主は、あなたのお母さんの同級生なんだそうです。 このお店はね、天ぷらも、とても美味しいんだよ そんな話を聞きながら、皆で、 天ぷらの盛り…

そういうことにしておこう

あなたへ 今年のこちらでは、花粉の飛ぶ量が多く、 私の周りでは、花粉症の方が多く見られます。 え?花粉症じゃないの? いいなぁ 時々、そんな言葉を掛けられますが、 私は、これまでに、一度も花粉症の症状が出たことがないわけではありません。 花粉症の…

新元号

あなたへ こちらでは、もうすぐ元号が変わります。 昨日、新しい元号が発表になりました。 来月からは、令和(れいわ)という新元号に変わるそうです。 人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ。 という意味が込められているとのこと。 なんだか、…

エイプリルフール

あなたへ エイプリルフールには、 素敵な嘘をついてほしい。 私のこんな願いは、我儘でしょうか。 明日の朝、目が覚めたら、 おはようって、あなたの声が聞こえるの。 帰って来たよって。 私は、騙されたフリをして、あなたに言うの。 おかえりなさいって。 …

私の膝の上

あなたへ 私が耳掃除を始めると、 決まって、あなたとあの子も、 俺も 僕も 耳掃除して って、 あの時だけは、大人気だった私の膝の上。 早く言った方が先だよ 2番目の方は、並んでお待ちください そんな私の言葉に、 今日は、パパが先だからね なんて、 あ…