拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

手紙

あなたより1年長く生きた日

あなたへ 丁度、1年前のことを思い出していました。 あの日の私は、空を眺めながら、 ただ、あなたのことを想っていました。 日々の生活の中の当たり前は、 決して、当たり前ではないと、 改めて、 健康で毎日を過ごせることに、感謝しながら、 ここからは、…

どこが好き?

あなたへ ねぇ、あなた 私のどこが好き? 思えば、そんなこと、 一度も聞いたことがなかったね。 どうしてだろう。 出会った頃の記憶を辿ってみれば、 あの頃の私は、 お互いが、好きであるのが、当たり前かのように感じていたのでした。 私たちは、きっと、…

あの子の友達

あなたへ 自転車のパンク修理 釣竿の手入れ これは、あなたを見送ってから、間も無くのあの子が、 出来るようになったことです。 あの子には、ちょっと不思議な友達がいます。 あなたも知っている、 あの子が幼い頃から、仲が良かった近所の子。 私には、教…

得体の知れないものへの恐怖

あなたへ 時々、急に怖くなる時ってあるよね 例えば、 誰もいないはずなのに、 影が見えた気がする とか、 誰かの気配や、視線を感じた気がするとかさ 先日、雑談から、 得体の知れない何かに怯える時がある、 という話になりました。 そんな日は、シャンプ…

あなたの隣で眠ること

あなたへ 私の隣で、あなたが眠っている夢を見ました。 目が覚めた私の隣で眠るあなたの姿に安堵し、 夢の中の私は、もう一度、目を閉じたのでした。 目覚まし時計の音と共に、 いつも通りに目が覚めた私ですが、 なんだか、とても眠くて、起き上がる気力も…

曾孫を抱く日

あなたへ あの子は時々、 自分が思い描く将来について、語って聞かせてくれます。 どんな道へ進み、将来どんな人になりたいのか。 それから、結婚や子供のこと。 たくさんの話を聞かせてくれるあの子ですが、 先日、突拍子もないことを言い出しました。 もし…

夏と秋の間

あなたへ 今日は、夕方から少しの間だけ、気分転換にと、 散歩へ出掛けました。 ゆっくりと、散歩をしながら、空を見上げると、 大きなハート型の雲をみつけました。 あなたと出会う、ずっと前から、 空を見上げるのが好きだった私ですが、 思えば、時々、 …

今、伝えたいこと

あなたへ 俺なんかと一緒でいいの? 何故だか、 いつかのあなたの言葉を、思い出していました。 いつ、どんな時に言われた言葉だったのか、 思い出すことが出来ないままに、 その時、 私がどんなふうに答えたのかを、思い出そうとしていました。 ただ、ひた…

青色

あなたへ 空を眺める夢を見ました。 何の感情もなく、 灰色の空を、ただ眺めていた私の耳元に聞こえたのは、 あなたの声でした。 青に染めてあげるよって。 そうして、私が見上げる灰色の空は、 鮮やかな青色へと変わっていきました。 空って、こんなに綺麗…

不思議な涙

あなたへ 私なら、大丈夫 ひとりで生きていけるよ そう声に出して言うと、 何故だか、勝手に、涙が溢れ落ちました。 今日の私は、どうかしています。 本当は、あなたを探してしまう。 その手に触れたくなってしまうのに、 今の私は、あなたに、大丈夫だと、…

劇薬

あなたへ あなたを見送ってからの私は、時々、 酷く自分を責めました。 なんでも出来たあなたと、なにもできない私。 もしも、どちらか片方が、 あの日、この世を去らなければならない運命であったのなら、 何故、私ではなかったのかと。 何故、なにも出来な…

最後の8月

あなたへ 今年も、夏が終わります。 今日は、8月最終日。 夏の終わりを惜しみながら、空を見上げ、 3人で見た空を思い出していました。 最後に、あなたと一緒に、同じ空を見たのは、 病室から見た空でしたね。 空調が効いた病院内、 窓際のベッド、 家族3人…

3つ目の香り

あなたへ 自宅で、初めて、 あなたにお線香をあげた日のことを、思い出していました。 あれは、告別式を終え、 その姿を変えて、漸く、自宅へと戻って来た日。 自宅へ帰って来たあなたに、初めて、お線香をあげて、 手を合わせながら、泣いたのでした。 私は…

朱夏

あなたへ 朱夏という言葉を知ったのは、つい先日のことでした。 人生には、青春だけでなく、 朱夏、白秋、玄冬と、 それぞれ、四季に例えた言葉があることを、先日、初めて知りました。 この言葉に当てはめるなら、 私は、今、朱夏という夏の季節を歩んでい…

特等席

あなたへ ここ数日のこちらでは、雨が多く、 とても不安定な天気が続いています。 眠る時も必須だったエアコンは、 気が付けば、日中のみの出番となり、 夜になれば、 薄い毛布に、心地良さを感じます。 夏の終わりに、少し寂しさを感じながらも、 この時期…

何かが足りない気持ち

あなたへ 何かが足りないなって思ったんだ 足りない何かって、 なんだろうなって考えていたらさ お前だったんだよ なんで隣にいないの?って思ったんだ あれは、私たちが出会ってから、 どのくらいが経った頃だったでしょうか。 カレンダーに、幾つかの赤い…

青春

あなたへ 例えば、高校生が主人公となった映画やドラマを観ている時 例えば、中学生の頃を振り返った時 あの子は時々、青春という言葉を口にします。 中学生の頃、 こっそりと高校生活への憧れを抱いていたあの子。 あぁ、俺、青春してるなぁ 高校生になった…

お母さんの幸せの場所

あなたへ 3人の子育てをした、あなたのお母さん。 一番下の息子には、特に手を焼いてね 本当に、大変だったのよ 今、あなたの実家で、お母さんと暮らす、 あなたの弟の話を聞かせてくれたのは、 先日のお盆に、あなたの実家へ行った時のことでした。 色々と…

お盆過ぎのそちら側

あなたへ お盆明けの日。 きっとあなたは、 雲に乗って、この街を見下ろしながら、そちら側に帰るのだろう。 そんな気がしたのは、いつだっただろう。 雲の上には、そちら側でのあなたの友達がたくさんいてね、 楽しそうにしているあなたの姿が見えた気がし…

盆明けの日

あなたへ あなたを見送ってからの私にとって、 お盆の期間は、唯一、とても早足で過ぎてしまう時間。 もっと、ゆっくりでいいのにさ、 どうしてこんなに、あっという間なんだろう。 そんな私の言葉に、 あなたは、どんな返事をしてくれたのでしょうか。 あな…

お盆 -2019-

あなたへ この時期の連日の暑さに、 うんざり顔のあなたを思い出していました。 暑さが苦手だったあなた。 帰宅時間に合わせて、冷蔵庫で冷やしておいた濡れタオルは、 とても喜んでくれましたっけ。 冷蔵庫の前で、冷えたタオルを首に当てて、 幸せそうな顔…

思い出話

あなたへ これまでのあなたの命日には、 あなたのことについて、あまり多くのことを語らなかった私たちですが、 今年の命日には、あの子と2人で、 たくさん、あなたの話をしました。 あなたが息を引き取ったあの日、 2人でたくさん泣いたことや、テレビから…

あなたを想う日 -2019-

あなたへ 今日のあなたは、 どんなことを考えて、そちら側の1日を過ごしていましたか。 私はただ、あなたのことを考えていました。 この温もりを、絶対に忘れない そう誓って、最後にあなたのその手を握りしめた、あの日から、 丁度、5年が経ちました。 あな…

スイカの香り

あなたへ 先日買った、あなたへのプレゼント。 3種類の香りのお線香のうち、 スイカの香りのお線香は、夏になってからのお楽しみだよ。 あの日の、そんな私の声は、 あなたのところまで、届いたでしょうか。 梅雨明けの、眩しい太陽に目を細めながら、 そろ…

言葉のない3秒間

あなたへ どうして、こうも忙しいのかと、 なんだか、ため息が出てしまう今日この頃。 近頃の私の職場は、とても忙しく、 夕方には、疲れ果てて、 抜け殻のようになって帰路につくことも、しばしばでした。 会社からの帰り道、スーパーの前で、 出入り口を塞…

お気に入りのフレーズ

あなたへ うちは、主人がうるさいものですから 初めてこんな言葉を使ったのは、 あなたと結婚して、間も無くの頃のことでした。 あれは、私ひとりで、家にいた日。 突然の訪問客に、何も考えずにドアを開けると、 そこに、笑顔で立っていたのは、新聞のセー…

逢えない時間を数えながら

あなたへ ねぇ、あなた 覚えてる? あなたの仕事が忙し過ぎて、全然逢えなかった時間があったね。 あれは、私たちが出会ってから、 どのくらいが経った頃だっただろう。 真夜中に、あなたからの着信。 逢いに行けなくて、ごめんねって、 電話越しのあなたの…

土用の丑の日

あなたへ あれは、いつかの土用の丑の日のこと。 鰻は、お酒で蒸すと、 ふわふわになって美味しくなるんだよ 会社の先輩から、そんなふうに教えて頂いた私は、 仕事から帰ると、早々に、 あなたとあの子が喜ぶ顔を思い浮かべながら、 晩御飯の支度に取り掛か…

恋話 -2019-

あなたへ あの子と始めて、恋の話をしたのは、 あなたを見送り、どれくらいが経った頃だったでしょうか。 あの頃、あの子の口から出た、 女ってさなんて言葉が、 可笑しくて楽しかった、あの子との恋の話。 もしも、あなたが此処にいてくれたのなら、 あなた…

青空

あなたへ こちらでは、曇りや雨の日が長く続いていましたが、 今日は、とても久し振りに、青空を見ることが出来ました。 この梅雨の間に、雨の日の楽しみ方を思い出した私ですが、 やっぱり、青空が一番好き。 休憩中に外へ出た私は、 空を眺めながら、沢山…