拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

手紙

確かな証拠を拾い集めながら

あなたへ 私たちは、運命の出会いだったね。 だって、私は、あなたと出会った時に、感じたもの。 この人だ やっと、会えたって。 私が、こんな話をした時に、あなたは、笑っていたね。 ねぇ、あなた。 あなたは、どう感じていたのかな。 私と出会ったあの日…

あの子先生との時間

あなたへ コロナウイルスの影響から、外出自粛を心掛けた私たちは、 家の中で、たくさんの時間を過ごしてきました。 そんな中、一度だけ、 あの子が私に教えてくれたのは、不審者対策法でした。 もしも、こんなふうに、腕を掴まれたらね 腕をこっちに動かし…

名前を呼ばれること

あなたへ あなたの夢を見ました。 あなたのその姿は、見えないままだったけれど、 いつの間にか、あなたの気配だけが隣にいてね、 あの頃の続きのように、あなたと話をする夢でした。 他愛もない会話の中、 あなたは、当たり前に、私の名前を呼んだの。 夢の…

キャンディ

あなたへ 悲しい気持ちのする香りのお線香から、 甘い香りのお線香に変えてから、どのくらいが経ったでしょうか。 今、あなたの場所に準備してあるのは、 4種類のキャンディの香りのお線香。 このキャンディの香りのお線香をあげながら、思い出すのは、 あな…

占いの言葉

あなたへ 生涯かけて、愛する人と出会うでしょう こんな言葉を目にしたのは、 あなたと結婚する前の年の、年末のことでした。 ほら、よくあるでしょ? インターネットで公開されている無料占い。 来年のあなたの運勢 みたいな。 なんとなく開いた携帯サイト…

ヘルメットの中という空間

あなたへ 俺はね バイクに乗っている時には歌うんだよ たまに叫ぶ時もあるけどね 例えば、寒い冬には、寒い!と叫びながら、 そうでない時には、気持ちよく大熱唱。 ヘルメットの中という小さな空間を楽しんでいるのだと話して聞かせてくれたのは、 あの子が…

曇り空のせいにして

あなたへ 近頃の私は、なんだか気分が優れなくて、ため息ばかり。 だってさ・・・だって。 ううん。 やっぱり、いいの。 やめておく。 だって、言葉にしたら、余計に今を我慢できなくなりそうだから。 こんな時は、どうしたら良いのかな。 焦る気持ちが空回…

愛の言葉

あなたへ あの夏から、何度、あの日のあなたを思い出しただろう。 私の手を握り、病院のベッドの上から、切なそうな顔をして、 私の顔を真っ直ぐに見つめるあなたの姿。 そうして、 照れ屋なあなたには、似つかわしくない言葉で、私を困惑させたの。 俺から…

徳川埋蔵金

あなたへ お母さん、知ってる? 徳川埋蔵金が隠されている場所はね 実は、特定されているんだよ こんな言葉から始まった、あの子の話は、とても興味深いものでした。 あの子の話によれば、 童謡『かごめかごめ』は、徳川の埋蔵金のありかを示す歌だと言うの…

6月

あなたへ 6月が半分を過ぎました。 カレンダーを見つめながら、ふと、思い出したのは、 かつて、一緒に働いていた先輩の言葉。 もう、6月だって 今年も半分が終わっちゃうわね これからすぐに、夏が来て、お盆が来て、 毎日暑いねって話していたかと思えば、…

記憶の奥に眠っていた出来事

あなたへ ふと思い出した昔話をします。 これは、私が高校生だった頃のお話です。 私には、高校の3年間、同じクラスだった友達がいました。 お互いの自宅が、そう離れていなかったこともあり、 いつの頃からか、その子と一緒に、登下校をするようになりまし…

スーパーマーケット

あなたへ 会社帰りに、スーパーで買い物をして帰って来ました。 ひとりで店内を回りながら、ふと、思い出したのは、 先日、あの子と一緒に買い物をした日のことでした。 そうだ アレも見てみない? 気が付けば、いつもよりも、たくさん入ったカゴの中。 あの…

最近のあの子

あなたへ 早く学校に行きたい! ここ数日で、この言葉を、何度聞いただろう。 あの子の口から、この言葉を聞けるのは、3年と数ヶ月振り。 あの子が、中学生のとき以来です。 先日から、あの子の進学先への登校が、少しずつ始まり、 最近のあの子は、とても楽…

少しだけ泣いてもいい日

あなたへ 今日のあなたは、どんな気持ちで過ごしていましたか。 寂しい思いは、しませんでしたか。 私は今、とても寂しいです。 夏を思わせる晴れた空に、心が躍るはずなのに、 今日の私は、空を見上げて、 無意識に吐いてしまったのは、大きなため息でした…

スーパーでの素敵な思い出

あなたへ 買い物をして帰るね 食べたいものはある? 俺も買いたいものがあるから、今から行くよ これは、先日のあの子と、やりとりをしたメッセージ。 先日、学校帰りのあの子と、 スーパーで待ち合わせをして、一緒に買い物をしました。 私が足を怪我してか…

掛け替えのない時間

あなたへ あれ?俺、言わなかったっけ? ある日、唐突に、あの子が話してくれたのは、 高校生活の中での、お弁当の時間のこと。 私が作ったお弁当を、 いつも周りの友達が、褒めてくれていたよ という話を聞かせてくれました。 料理が苦手な私にとって、 毎…

6月の花火

あなたへ 昨夜のこちらでは、とても素敵なことがありました。 コロナウイルス感染の収束を願って、全国で一斉に花火が上がったのです。 この辺りでも、花火が上がりました。 夜8時から5分間。 きっと、たくさんの人達が、同じ時間に、 同じ空を見上げたので…

これは、コロナ太りではありません

あなたへ この数ヶ月の私は、 せっせとあの子の好きな食べ物を準備していました。 食事の他に、お腹が空いた時には、 いつでも温めて、簡単に食べられるようにと、冷凍食品。 それから、あの子の好きなアイスクリームやお菓子。 不安な気持ちで家にいるあの…

ずっと先の未来

あなたへ あの子の進学先のオンライン授業が始まり、3週間が経ちました。 最近のあの子は、 大量の課題と向き合いながらも、自宅での時間は充実しているようで、 仕事から帰った私に、たくさんの話を聞かせてくれます。 あの子が勉強の合間に学んでいるのは…

生きるために

あなたへ コロナウイルスという、耳慣れない言葉に怯えながら、 この数ヶ月の私たちは、細心の注意を払いながら、生活をしてきました。 神経質過ぎるのかも知れないと、時々考えてしまう程に、 注意をしてきたのは、 コロナウイルスに感染してしまったら、 …

あの子の髪型

あなたへ あなたがよく知るあの子の髪型は、いつでも、ちょっと長めの髪型でしたね。 あの子が幼なかった頃の写真を見れば、 どの写真も、耳に掛かるくらいの髪の長さで、 いつだったかのあの子は、 ショートカットの女の子と間違えられてしまったことがあり…

最期

あなたへ あなたが懸命に生きようと、 止まり掛けたその心臓を、 必死に動かした日のことを、私は知っています。 あなたの意識は、此処にはなかったけれど、 その手の温かさは、 此処に、あなたの命があることを教えてくれました。 最期の顔が、とても穏やか…

アマビエ様

あなたへ 昔々のお話です。 時は、江戸時代に遡ります。 弘化3年、肥後国の海中に、 毎夜のように光るものがあったそうです。 役人が確かめに行ったところ、 海中に住む、アマビエと名乗る怪物が現れました。 その姿は、3本足に、鱗のある体、長い髪、 そし…

足の怪我

あなたへ 実は、私は今、足を怪我しています。 左足を庇うようにして歩くようになってから、 10日と少しを過ぎましたが、未だに、良くならず、 なんだか、ため息が出てしまう今日この頃です。 何故、怪我をしてしまったのか。 こんな話をすれば、あなたに、…

明晰夢

あなたへ 幼かった頃の、あの子の夢の中の話を、 あなたは覚えていますか。 幼い頃のあの子は、夢と現実の区別がついていて、 起きたい時には、自分の意思で、夢から覚めることが出来るのだと、 そんな話を聞かせてくれたことがありましたね。 夢の中が飽き…

やる気スイッチ

あなたへ なかなか学校へ通うことが出来ないでいるあの子ですが、 オンラインでの授業が始まってから、1週間が経ちました。 用品販売で揃えたばかりの教科書を開いた日のあの子。 学校から送られて来た課題と向き合いながら、頭を抱えたあの子。 全然、意味…

怖い夢

あなたへ あなたの夢を見ました。 今回の夢は、なんだか怖くて、 目が覚めてからずっと、不安な気持ちで、夢の中を反芻しています。 夢の中の私たちは、早くここから逃げなければと、荷造りをしていました。 早くしなければ、地震が来てしまうのです。 着替…

あの子の髪

あなたへ ここはパパ似。 ここはママ似。 あの子が生まれてからの私たちは、 何度、こんな会話をしたでしょうか。 あの子が少し成長すれば、 あなたに似たり、私に似たりと、 いつでも忙しなく、その変化を見せてくれましたね。 あなたを見送り、成長と共に…

おうちサウナ

あなたへ このゴールデンウィーク中、 家の中で色々なことをして楽しんだ私たちですが、 その中で、一番気に入ったのは、 一番地味だと感じていた、おうちサウナなるものでした。 大きな布を被り、 熱湯の中に、緑茶を入れた容器を布の中に一緒に入れるだけ…

初夏

あなたへ あれ?桜の木が緑色だ 思わず、こんな声を上げたのは、つい先日のことでした。 ピンク色に変わりつつある桜の木も、 ピンク色の桜の木も、 緑色へと変わりゆく桜の木も、車内から眺めていたはずなのに、 すっかりと緑色へと変化したその姿だけは、…