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拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

おばあちゃんの旅立ち

あなたへ


先日、私のおばあちゃんが、旅立ちました。


実はね、施設に入ってから、間も無く、

おばあちゃんは、ご飯が食べられなくなり、

今月に入ってから、また、入院していました。


最後に会話をしたのは、息を引き取る10日程前でした。


それまでは、来てくれてありがとう と、

弱々しく、それでも、嬉しそうな顔を見せてくれたおばあちゃんだったけれど、

その日だけは、私の顔を見るなり、こちらに手を伸ばし、

私の手を優しく握ったおばあちゃんは、とても小さな声で言いました。


今までありがとう と。


それからは、言葉を話す事がなくなり、

時々、言葉にならない声を出す以外は、眠っていたおばあちゃん。


それでも、声を掛けると、口元には、笑みが、見えました。


出来るだけたくさん逢いに行って良かった。

 


危篤の連絡が入り、あの子と病院へ向かっていた時のことでした。


もしもの事があっても、お母さんは、泣かないであげて


突然に、あの子は、そんな事を言い出しました。


そして、


時々、どこか痛そうに顔を顰めることがあっても、絶対に、痛いとは言わなかった。
痛くない そう言って、いつでも、笑顔でいた、おばあちゃんは、

泣いて欲しくないと思う。
だから、笑顔で見送ってあげよう。


そんなふうに続いた、あの子の言葉に、涙が溢れそうでした。


あの子は、いつの間に、こんなに強くなったのでしょうか。

 


それから、間も無く、おばあちゃんは、眠るように、息を引き取りました。


その、安らかに眠る顔に、思いました。
きっと、20年前に他界した、おじいちゃんが迎えに来てくれたんだね って。


今頃は、きっと、おばあちゃんが、こちらで見てきた20年分の出来事を、

話して聞かせているのかも知れませんね。
そして、おじいちゃんは、この20年、何をして過ごしていたの?なんて、

昔みたいに、肩を並べて、

楽しそうに、お喋りしているふたりを、想像してみました。


きっと、もう、寂しくないね。


私は、あの子の言葉を反芻しながら、

泣かないで、おばあちゃんを、見送りました。


おばあちゃん、またね

そんな私の声は、届いたでしょうか。


ねぇ、あなた、


生きるって、なんだろう


時々、考えるけれど、おばあちゃんが言ってくれた、

 

長く生きなさい


その言葉の先に、何か見えるのかも知れませんね。

 

 

 

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