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拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

青い花火

あなたへ


あなたは、何処にいるんだろう


そんな気持ちになると、あの日の、青い花火を思い出します。


それは、あなたを送り出し、二度目のお盆の日の出来事でした。
あの年も、我が家の毎年恒例となっている、

あなたの実家の地域で行われる花火大会へと出掛けました。


あの日の天気は大雨。
早足で打ち上がる花火を、
あなたの家族と車内で観ながら、
早々に切り上げて、あなたの実家へと戻りました。


あなたの実家は、居心地がいいけれど、
あなたが側にいない事が、
現実味を帯びて、私にまとわりつきました。


あなたの実家なのに、あなたがいない


私は、そんな時、決まって外に出て、空を見上げます。


あの日も、そんな気持ちで、ひとり、そっと、外に出ました。


雨は、ようやく小降りになり、星が見えない夜空見上げていた時の事。
私の目の端に、でも、はっきりと、その打ち上げ花火は見えました。
打ち上げ花火にしては、小ぶりで、色は青一色。
小さいけれど、とても、綺麗な花火でした。


青は、あなたの色。


その方向に、大会の花火が見えるわけはなく、

それは、きっと、私にしか見えない花火だったのだと思います。


ここにいるよ


確かに、あなたがそう言ってくれた気がしました。


あの夜の出来事は、誰に話すこともなく、私の胸の中に、仕舞い込みました。
特別な力があるわけではない。
平凡な私の目に、映ったあの日の青い花火は、
目の錯覚、そう言ってしまえば、そうなのかも知れないけれど、
それは、私に取って、あなたからのメッセージに見えました。

 


ここにいるよ


手を伸ばしても、もうあなたに触れる事は出来ないけれど、
あの日、確かに、あなたに逢えた気がしました。


寂しくなると、あの日の青い花火を思い出します。


あの日見えた青い花火は、
私の胸の奥にしまった、大切な宝物です。