拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

愛してる

あなたへ


あなたは、覚えていますか?
あの夜、あなたに伝えた、愛してる の言葉を。


あれは、私達が出会って、どのくらい経った頃だったでしょうか。


出会ったばかりの、初々しさから、
互いに信頼関係を築きながら、
あなたの隣に、慣れ始めた頃。


そう、
出会ってから、
2度目の季節を一緒に迎えた頃だったでしょうか。


昼間の海も好きだけれど、夜の海も好き
そんな話をした私の事を、

仕事帰りのあなたは、海までドライブに連れて行ってくれましたね。


夜の海は静かで、波の音が心地よかった。


海を眺めながら、あなたは突然に、
言ってくれましたね。
愛してるよ と。


そうして、
俺の事、愛してる?って。


あの日、初めて言葉にして伝えた、
愛してる
あなたは、覚えているでしょうか。


あの時、あなたは、言いましたね。
誰かに、こんな事言ったの、初めてだよ
なんて、ちょっと、照れながら。


私も、誰かに、その言葉を伝えたのは、
あれが、最初で最後でした。


あれから、暫くの時が過ぎ、私達は結婚し、
あなたが側にいる事は、
いつでも、当たり前で、
あなたを愛している事も、当たり前でした。


あの日以来、あなたに、ちゃんと言葉で伝える事は、
ありませんでしたね。


何故だか、あの日の出来事を、今、鮮明に思い出しました。


あの頃の私は、
愛してるの言葉は、
一生に一度だけ、口にする言葉。
そんなふうに決めていました。


あの日、あなたに伝える事が出来て、良かった。


あの日から、胸にしまった言葉でしたが、


愛してる


もっと、たくさん、あなたに伝えれば良かった。


そうしたら、
あなたは、あの頃みたいに、また、言ってくれたでしょうか。
愛してるよ と。


俯きがちに、照れ笑いしているあなたが、目に浮かびます。

 

 


今からでも、遅くはないでしょうか。


あなた、愛していますよ。