読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

コトバ -道しるべ-

私が道に迷わないようにと
彼は道しるべを遺していった


彼には目標とする場所があった
それはとても漠然としていて抽象的で


けれど
もしそこを見つけ辿り着けたのなら
きっと幸せになれる場所だ


彼が見たかった景色は
どんな景色だったのだろうか


彼を見送り
漠然としたその場所を想像してみた


どこに辿り着きたかった?


空を見上げては問いかけた疑問に
誰も答えてはくれなかった


彼の目指した場所


それはきっと遥か遠く
目を凝らしても
背伸びをしても
今の私にはまだ
見えない場所なのだろう


いつの頃からか
彼が目指したかった場所へ行く事が
私の目標となった


私が道に迷わないようにと
彼は道しるべを遺していった


私のすぐ先に立っていた道しるべは
私が一歩前に進めば
一歩進み
私が後ろを振り返り
思わず一歩戻れば
半歩だけ戻って
急かす事なく辛抱強く待っていてくれた


そんな道しるべを眺めては
用意周到な彼を想った


私が道に迷わないように
道しるべを遺していってくれたんだね


私はまだ旅の途中


きっと先は長く
その景色を見つけるのは
ずっと先なのだろう


そしていつか何処かへ辿り着き
私に道しるべが見えなくなったのなら


きっとそこが
彼の辿り着きたかった場所なのだろう