拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

コトバ -トンネル-

此処は暗闇


どんなに目を見開いても
何も見えない


時に足元を慎重に確かめながら
時に壁を伝いながら
ゆっくりと歩を進めて行く


暗闇の中
隣にはあの子の温かさが伝わる


繋いだその手は
頼りなかったあの頃から
随分と強く逞しくなった


遥か向こうに小さな光が見えたのなら
それは希望となりほんの少しだけ
歩が早くなる


長い長いトンネルを抜け
青空を眺めながら
此処まで来られた事を
あの子と一緒に喜んだ


良くやったね


あの子の頭を撫で
一緒にトンネルを抜ける事が出来た事を
一頻り喜びながら
歩んだ先には
また暗いトンネルが待っていた


行こうか


それしか道がないのなら


こうして何度
暗闇のトンネルを歩いただろうか


ようやく長く暗いトンネルを抜けても
青空の下を歩ける事は
ほんの僅か
また次の暗闇が待っているんだ


青空の下

そこへ留まる選択もあるのだろう


この場所も悪くないかな
なんて時々弱気になる自分を奮い立たせた


彼があの子に見せたかったものは
此処にはないんだ


そうして
自らがまた暗いトンネルへと
潜り込んだ


試練であるのなら受けて立とう


時折そう思えるようになった私は
少しだけ強くなったのだろうか


私はまたトンネルの中に入ったようだ
まだ僅かな光も見えない


一寸先は闇


これから幾つの暗闇が待っているのか
分からない


それでもいつか
本当に辿り着きたい場所へ
辿り着けると信じている


いつかとても綺麗で
幸せの場所に辿り着く事が出来ると
信じているから


だから
私は今日も進んで行く
暗闇の中
ゆっくりとだけれど
着実な一歩を踏みしめて


目の前に広がる
見たこともない景色を
いつか
あの子に見せる時が来るまで