拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

筋肉自慢

あなたへ


近頃のあの子は、前にも増して、
筋肉を鍛えるようになりました。


自宅では、ダンベル、腹筋を欠かさずに、
時々には、ジムへも行くようになりました。


肩や腕の筋肉、腹筋。
数日ごとに、
どう? と、
筋肉を見せてくれるあの子だけれど、
何というか・・・
そこまで筋肉に興味のない私は、
時々、コメントに困ってしまいます。


そして、時には、
ちょっと触ってみてよ と、
その自慢の筋肉を私に触らせては、感想を求めてくるのです。

 

私はなんと答えれば良いのでしょうか。


凄いね
前よりも筋肉が増えたね


在り来たりな私のコメントに、
なんだか不満気なあの子。


先日は遂に、コメントに困り、

 

そこまで筋肉には、興味がないから、
少しの違いには、気が付かなくてさ


なんて返したら、


息子の筋肉には、興味持ってよね


なんて、言われてしまいました。


あなたなら、どんなふうに、
今のあの子と会話したのでしょうか。


あなたと、あの子。
2人で、筋肉を自慢し合いながら、
やっぱり2人で、私に、
どう?
なんて、聞きに来るのかも知れませんね。


そうして、やっぱりコメントに困った私に、


旦那と息子の筋肉には、興味持ってよね


なんて、言われるのでしょうか。


あの子の成長を見守りながら、
もしも、あなたが此処にいてくれたらと、
何度も考えてしまうけれど、
私達のやり取りを想像すると、
なんだかいつも、笑ってしまいます。


そうして元気を取り戻せるのだから、
不思議ですね。


あの子が使っているダンベルは、
あなたの実家から、持って来ました。


お母さんがね、
あなたが使っていたダンベルだよと、
あの子に、譲ってくれました。


きっと、若かったあなたも、
あのダンベルで、鍛えていたのでしょうね。


そうして、やっぱり、お母さんに、
どう? なんて、
筋肉を自慢していたのでしょうか。


その時のあなたのお母さんは、なんて答えたのかな。


若かったあなたが使っていたものを、
月日が経ち、

あなたの子供が使う時が来るなんて、

なんだか、不思議ですね。


あの子の筋肉は、
あなたよりも、まだまだ細く、頼りないけれど、
いつか、あなたに並び、

やがて、
あなたを追い抜く時が来るのかも知れませんね。