拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

応援団

あなたへ


今日は、仕事がお休みでした。
外出の為、久し振りに、
あの子が通っていた小学校の前を通ると、
運動会の練習をしていました。


あの子がランドセルを背負って、
あの小学校へ通っていた頃が懐かしく、
昨日の事のように思い出されました。


毎年の運動会、とても、楽しみにしていましたね。


私がお弁当を作っている間に、
朝の場所取りは、
あなたが担当してくれましたね。


あなたが選ぶ場所は、
いつでも、ベストポジションで、
日が高く、暑くなる頃には、
日陰になり、快適な1日を過ごす事が出来ました。


1年生だったあの子は、
上級生が務めた応援団長に憧れ、
僕も大きくなったら、応援団長になりたいと、
瞳をキラキラと輝かせていましたね。


どの競技も、可愛らしかった1年生から、
年々、力強く、逞しい姿へと変わっていきました。


そうして、6年生になると、
あの子は、夢を叶え、
紅組の応援団長を務めましたね。


団長の証。
紅組のタスキを掛けて、堂々と入場したあの子の姿に、

感極まり、泣きそうだったと言ったら、
あなたに笑われてしまいましたね。


あの時を機会に、ビデオカメラを購入し、
あなたは、ビデオ撮影を、
私は、写真撮影を。

私達は、あの子の一番の姿を残そうと、
それぞれ、校庭を走り回ったんでしたっけ。


そうして、1日が終わり、
帰宅早々に、あなたが撮影してくれたビデオを3人で見ましたね。


あの年は、紅組の優勝でした。
ビデオの一番最後には、
大きなトロフィーを持ったあの子と、
たくさんの友達への、インタビューが映っていましたね。


あなたの、
優勝おめでとう。今の感想は?
そんな声に、
元気に答える子供達の姿が、映っていました。


いつの間に、インタビューしたの?
なんて、私の言葉に、
これ、いいでしょ?って、
嬉しそうだったあなた。


私の思いつかないやり方で、
素敵な1日の最後を残してくれましたね。


今の私は、まだ、
あの時のビデオを見ることは出来ないけれど、
あの日の、あなたの言葉も、
どんな声だったのかも、
今でも、よく覚えています。


あなたは、あの日の、あの子の姿を、
覚えているでしょうか。


あれから、4年が経ち、
高校生になったあの子は、
夏の野球大会に向けた、応援団に入りました。


さすがにもう、
私が見に行く機会はありませんが、
空の彼方、
あの子の立派になった姿を、見てやってくださいね。


その時は、あの子が気が付かなくとも、
あなたは、あの子に問いかけるのでしょうか。
今の感想は? って。