拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

コトバ -彼色の魔法-

空虚なこの心に
鮮やかな虹が架かるのを見たんだ


あの日 私は彼に恋をした

 

夕陽に赤く染まるように

私色の世界に彼色が染まる


ゆっくりと
静かに
色鮮やかに


私の目に映る景色は
少しずつ違って見えんだ


彼色に染まっていく私の目に映る景色は
全てが素敵で
色々なものを この瞳に映してみた


通り過ぎる車
すれ違う人たち
電線にとまる雀
庭に見つけた天道虫


何気ない日常が
この瞳に美しく映る事


それを私は 彼色の魔法と呼んだ


いつくもの季節を共に過ごし
いつも側にいるよと誓った彼


私をその色に染めた彼は
遥か遠く


手を伸ばしても
ここからじゃ
届きそうにはないけれど


その手の温もりも その声も
ちゃんと覚えているよ
大丈夫


この手が届かなくなっても
彼色の魔法は解けないまま


空を見上げる私の瞳には
やっぱり今でも
この世界が
少し違って見えるよ


彼色が染まったこの瞳に映る景色が


ずっと 鮮やかでありますように