拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

前髪が上手に切れた日

あなたへ


先日、前髪を切りました。


あの日、ハサミとコームを準備した私は、
鏡の前で、目を閉じて、
前髪を切ってくれていた時の、あなたの事を思い出していました。


目を閉じた私のすぐ前に座るあなた。
私の前髪を指で挟んだあなたの手の感触。
そっとハサミを動かす音。


大方、切り終わると、
目を開けてみて
そう言って、
前髪を梳かして、具合を確認するあなたの真剣な顔。


何年もの間、あなたは、そうして、
私の前髪を切ってくれていましたね。


あなたの切り方を思い出しながら、
慎重に、出来るだけ、丁寧に切ったこの前髪は、
今回、初めて、綺麗に切れた気がします。


あなたを見送り、3年間。
何度も自分で前髪を切ることに挑戦してきました。


いつか、あなたみたいに、上手に切れるようになりたいと思っていました。


ずっと、そう思っていたはずなのに、
綺麗に切った前髪を眺めながら、
鏡の中に、複雑な気持ちでいる私を見つけました。


嬉しい気持ちは、ほんの少しだけ。
そして、悲しい気持ちがたくさん詰まった私の顔。


上手に切れちゃったよ


思わずそんな言葉が出てしまった私は、
本当は、上手に、切りたくはなかったのかも知れません。


いつまでも、あなたには叶わないと、思い続けたかったのかも知れません。


あの頃のあなたに追いついてしまった気がして、胸が苦しくなりました。


私は、初めて、こんな気持ちを経験しました。


こんな時、あなたなら、なんて言ってくれるのでしょうか。


生きるということは、時々、悲しい


もしも、私がそんな事を言ったとしたら、
あなたは、どんな答えをくれるのでしょうか。

 


あなたに、とても逢いたいです。

 

 

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