拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

パラレルワールド

あなたへ


あれは、あなたと一緒に、
パラレルワールドが描かれた映画を観た後のことでした。


パラレルワールドが、本当にあったら、面白いね

 

何気なく言った私のこんな一言から、

あなたは、パラレルワールドはあると考えているのだということを、

話して聞かせてくれましたね。


人生の分岐点に立った時、
片方を選んだ自分が今の自分としたら、
もう片方を選んだ自分が他にも存在して、
その人生を歩む自分は、今の自分とは、別な人生を歩んでいる。
そんなふうにして、
幾つもの別々な世界が存在するという説があるんだよ と。


あの時、あなたの話を、

とても不思議な気持ちで聞き入っていたことを思い出していました。


もしも、パラレルワールドというものが、何処かに存在するのなら、
私たち家族3人で、あの頃と変わらずに、
元気で暮らす世界があるのかも知れませんね。

 

深い悲しみを知らないままに、

当たり前に、家族3人で笑いながら、

あの夏の続きを生きる私たちの笑顔を思い浮かべてみました。


考えれば、考える程に不思議で、
あなたが、あると思うと話してくれた世界を思い描いてみるのは、
なんだか、とても楽しい時間でした。

 

もしも、パラレルワールドがあるとしたのなら、
その世界に生きるあなたは、私が知らないあなただけれど、
何処かで、元気に、笑っていてくれるといいな。

そして、その世界の私が、
あなたとの時間を大切にしてくれているといいな。

 

ないと証明されていないことは、ないことにはならない


これは、あの日、

パラレルワールドについてを話してくれた時のあなたの言葉でしたね。


あの時は、そんなあなたの言葉を、
ただ素直に受け取っただけでしたが、
あの時のあなたの言葉があったから、
今の私の世界が広がったような気がします。


私たちは、たくさんのことを知っているようで、

実は、ほんの少しのことしか、知らないのかも知れませんね。

 

此処とは別な世界で、

今も元気に笑っているパラレルワールドのあなたも、

私が知っているあなたも、
きっと何処かで、笑っていてくれますように。



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