拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

温かい飲み物

あなたへ


先日、こちらでは、この冬初めての雪が降りました。


雪が降った日から、1週間が経ちましたが、
風が強く、とても寒い日が続いています。


外に出ると、身を切るような寒さ。
すぐに冷たくなってしまう指先を握り締め、
寒さに凍えながら、思い出したのは、
あなたが手渡してくれた飲み物の温かさでした。


寒い夜に、外であなたを待っていた、出会って最初の冬。
あなたは、温かい飲み物を準備して来てくれましたね。


寒いね


そう言って、
あの頃の私の、一番のお気に入りの温かいお茶を手渡してくれたんでした。


私が好きなお茶だ


そんな私の言葉に、あなたは、笑って言いましたね。
知ってるよって。


そんなふうに、幾つもの寒い日を一緒に過ごしながら、
やがて、私たちが結婚し、
雪の日に、会社まで迎えに来てくれた時も、
車に乗り込んだ私に、
やっぱり、温かい飲み物を手渡してくれたんでした。
寒いねって。


何年経っても、
あなたは、あなたのまま、
ずっと変わらないでいてくれましたね。


温かいお茶
温かいカフェオレ
温かいスープ


あなたが準備してくれる温かい飲み物は、
いつでも、その時の私の一番好きなもの。


よく分かったね


毎回、驚く私に、
あなたは、いつでも得意そうに答えてくれましたね。
当たり前じゃんって。


もう一度だけ、
あなたが手渡してくれた、温かい飲み物が飲みたい


なんて言ったら、
笑われてしまうのでしょうか。


もう、何処を探しても買うことの出来ない、
あなたが手渡してくれる温かい飲み物は、いつでも、特別でした。


暗くなった帰り道、
夜空に光る星を見上げました。


寒いね
そう言って、
温かい飲み物を手渡してくれたあなたに、
どうしようもなく逢いたくなりました。


その大きな手の温もりに、もう一度だけ、
触れたくなりました。

 

 

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