拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

パーカー

あなたへ


近頃のあの子は、
インターネットでのショッピングを楽しむようになりました。


そんなあの子から、時々、
これとこれ、どっちがいいかな
なんて、相談を受けることがあります。


先日、色で迷っていると見せられたパーカーの画面を見て、
またひとつ、成長と共に、
あなたに似た、あの子を見つけました。


あの子の携帯画面に出されていたのは、
昔、あなたが好きだったメーカーのものでした。


私たちが出会った日、
あなたが、そのメーカーのものを身に付けていたこと、
今でも、よく覚えています。


あの日のあなたの姿を思い出しながら、


お父さんが好きだったメーカーだよ


そう話をすると、あの子は、とても嬉しそうな顔をしました。


あなたを見送ったあの頃は、
まだ、身長が小さく、子供サイズの服を着ていたあの子ですが、
すっかり大きくなった今は、大人用の服を着るようになりました。


あの子が見せてくれたパーカーは、
あなたもきっと、気に入りそうなデザインのものでした。


もしも今、あなたが側にいてくれたのなら、
時々には、男同士、服の貸し借りなんかもしていたのでしょうか。


お父さん、あの黒のダウンジャケット貸してよ


そのパーカーいいじゃん
今度、お父さんにも貸して


いいよ
じゃぁ、今度、交換して着ようよ


なんて、友達のような2人を想像しました。


あの子が大きくなったら、友達みたいな関係でいたい


これは、いつか話してくれた、あなたの夢でしたね。


今のあの子なら、
きっと、あなたの夢を叶えてくれたのでしょう。


この子が大きくなったら、
どんな子に育つのだろう


まだ幼かったあの子の寝顔を見ながら、
時々、2人で、そんな話をしました。


あの頃の私たちは、幼ないあの子の寝顔に、
大きくなった姿を、上手く想像することが出来ずにいましたね。


甘えん坊で、ちょっぴり泣き虫だったあの頃の小さな男の子は、
お洒落が好きで、
服の好みがあなたによく似た、男の子に育ちましたよ。