拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

コトバ -春-

春の風を 覚えていますか
春の色を 覚えていますか
春の匂いを 覚えていますか


その髪を揺らす爽やかな空気を
その瞳に映る鮮やかさを
鼻を擽る甘い香りを
覚えていますか


一緒に過ごした初めての春


あなたを呼ぶこの声を
あなたの手を握るこの指の感触を
あなたを見つめるこの瞳の色を
覚えていますか


夏になったら一緒に海に行こうねって
弾んだあなたの声


次の季節が来ることが
あんなにも待ち遠しく思えたこと


私を呼ぶあなたの声も
頬に当たるその膝の感触も


私はよく覚えています


あなたと重ねた季節を振り返りながら
この時間が永遠に続きますようにと願ったあの頃の私は


あなたに何を伝えることができたでしょうか