拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

少年のような人

あなたへ


先日、急に思い立って、美容室へ行きました。


いつも私の髪のことをしてくれるのは、
私の父と然程、年齢の変わらない店主で、
毎回、とても楽しい話を聞かせてくれます。


先日、美容室へ行った際には、
たまたま、新しいヘアアイロンが届いたところでした。


これね、さっき届いたの
簡単に髪を綺麗に整えられるんだって


そう言って、真新しいヘアアイロンを見せてくれました。


業者さんから、色々な説明は受けるけれど、
何でも実際に試してみないと分からないからね
僕はとりあえず、何でも試してみることにしているんだよ
とは言ってもね、
僕の短髪じゃ、試せないから、
これ、試してみてもいい?


そう言って、私の髪で、新しいヘアアイロンを試しながら、
今回も色々な話を聞かせてくれました。


美容室で使うヘアアイロンは、数万円程するものだそうですが、
量販店で数分の一の金額で、

お店で使用しているものと見た目が全く同じものを見つけた店主は、
早速、購入して試したけれど、すぐに壊れてしまったそう。


分解して、中身を比べてみたらね、
配線の本数が全然違ったんだよ
量販店で買ったものは、配線が少ないの
見た目が全く一緒でも、中身が違うことってあるんだね


とても楽しそうに話してくれた店主は、更に、
自宅でも、壊れた電化製品は、とりあえず分解してみること。
分解して、壊れた原因を追求し、少しの手直しで直ったこと。


気になったことは、何でも試してみることや、
これまでに、挑戦したことなんかを話してくれました。


昔から通ってる美容室ですが、
あの日の店主は、なんだか、少年のように見えました。


そのキラキラと輝いた好奇心でいっぱいの瞳は、
きっと、幼い頃から、変わっていないのでしょう。


忙しい日常や、向き合わなければならない現実に、
私は、いつの間にか忘れてしまっていたことがあったのかも知れません。


あれから、少しの時間が経ちましたが、
あの日の店主の、
少年のような笑顔を思い出す度に、そんな気持ちにさせられます。


私は、何処に何を置き忘れて来てしまったのでしょうか。


ここ数日、そんな疑問を自分に問いかけながら、
何か、大切なものを思い出せそうな、そんな気がしています。


あの日、少年のような店主に会えて良かった。


何故だか、思い立って美容室へ行った日。
私にとって、
大切な何かを思い出すきっかけをくれた日になりました。