拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

自慢の息子

あなたへ


お父さんは、いつも、
君のことを自慢の息子だと話していたよ


これは、あなたを見送り、初めてのお盆に、お線香を上げに来て下さった、
あなたの仕事関係の方からの言葉でした。
その方は、会社でのあなたのことを、
たくさん聞かせて下さいました。


その中の言葉。


自慢の息子


その言葉を聞いたあの子は、本当に嬉しそうでした。


あの日、そちら側のあなたから、
あの子への精一杯の愛情が、あの子に届いたんでした。


夏休みが終わり、またいつもの学校生活に戻ったあの子。


学校生活の中、何か思うところがあったのか、
勉強を疎かにしている現状と、将来について、
あの子が今、考えていることを聞かせてくれながら、
あの子がポツリと言いました。


俺は今、お父さんの自慢の息子なのかな と。


あなたが最後に見たあの子の成績表は、
中学校へ上がって、初めての成績表でした。


親である私たちが驚くほどの高成績に、
病院のベッドの上で、
嬉しそうな顔で成績表を眺め、あの子の頭を撫でたあなた。


それは、あなたが、あの子を褒めた最後の記憶。
よく頑張ったねって。


あなたを見送り、
あの子の背中を押し続けてくれたのは、きっと、
病院のベッドの上で、
最後に褒めてくれたあなたの記憶と、
自慢の息子という言葉だったのでしょう。


これまで、何度も迷い、ここまで頑張ってきたあの子。


いつでも、笑顔を絶やさないあの子ですが、
今のあの子は、自分の中で、必死に戦っているのかも知れません。


勉強を頑張ったから、自慢の息子なわけじゃない
どんな時も、私たちの自慢の息子なんだよ
そんな話をしました。


あの子が前を向いて、笑っていてくれたら、
私たちにとって、それが一番の幸せなんだよと。


真っ直ぐに前を向いて、正しいと思った方へ全力疾走。
そうかと思えば、立ち止まり、
後ろを振り返っては、あの頃のあなたを想うあの子。


たくさん迷えばいい。


たくさん迷った先には、
必ず、納得の出来る答えが待っているのですから。


そうして、あの子が、
自分の納得のいく答えを見つけることが出来たのなら、
あなたもきっと、
そちら側から、全力であの子の背中を押すのでしょう。


だって、あなたも私も、あの子のことが大好き。


勉強を頑張ったあの子も、
今は勉強よりも大切にしたいことがあるからと、
勉強以外を優先させたあの子も、
迷い、悩んでいる、今のあの子も、
どんな時も、私たちの自慢の息子。


そうですよね?
あなた。