拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

小さな出来事

あなたへ


旅行に行ってきたの
これ、良かったらみんなで食べてね


先日、職場の先輩から、お菓子を頂きました。


何処へ行ってきたんですか?
いいですね
楽しかったですか?
旅行の様子を聞きながら、皆で談笑の中、先輩が言いました。


オバタリアンだけの楽しい旅行よって。


「オバタリアン」


数十年振りに聞いた、それは、
私がまだ、子供の頃に流行った言葉。


今、思えば失礼な話ですが、
当時は、母親程の年代の方が集まって井戸端会議をしている様子を見ては、
友達と、こっそり、
オバタリアンと笑ったものでした。


とても懐かしい響きを不意に耳にした私は、
込み上げる笑いを必死で抑え、思わず、下を向いてしまいました。


きっと、あの子が知らない言葉。


あの子には、なんとなく話すタイミングがないまま、
胸の奥へと、しまったつもりでしたが、
あの日の、ちょっと笑っちゃう出来事は、頭から離れないまま、
ひとりでに可笑しさが込み上げます。


もしも、あなたにこんな話をしたのなら、
あなたはきっと、
私を指差し、オバタリアンなんて笑うのでしょう。


そんなこと言ったら、あなただって、
・・・
オジタリアン


そんな、どうでもいいやり取りをしながら、
私たちは、どんなふうに笑い合ったのでしょうか。


日々の忙しさに埋もれてしまいそうな、
日常で見つけた、ほんの小さな出来事を、
1日の終わりに話し合いながら、
あの頃の私たちは、
いつでも、小さな幸せの中で、笑っていましたね。