拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

節分

あなたへ

 

今日は、節分の日です。

毎年、この日には、家族3人で、豆まきをしましたね。

 

あなたは、覚えていますか。

 

鬼のお面を付けて、

あの子に襲いかかろうとするあなたの姿に喜んで、

大騒ぎをしながら、豆を投げていたあの子だったけれど、

外に逃げたあなたを追いかけながら、

突然、泣き出してしまった、幼い頃のあの子のことを。

 

あれは、

あの子がまだ、3歳くらいの頃だったでしょうか。

 

あの日、家の中で、大暴れをした緑色の鬼さん。

 

あの子に豆まきで退治され、

外に出た緑色の鬼さんを追いかけて、あの子も靴を履いたけれど、

急に、緑色の鬼さんに豆を投げることが可愛そうに感じたあの子は、

外へ出ると、

豆を投げることをやめて、泣き出してしまったんでした。

 

だって、緑色の鬼さんは、大好きなパパだから。

 

鬼のお面を外したあなたが、

泣いている小さなあの子をギュッと抱き締めたあの日のこと、

今でもよく覚えています。

 

いつでも、私たちが予想もしないやり方で、

成長を見せてくれたあの子。

 

なんだか、胸がいっぱいになりながら、

年の数だけ、豆を食べたあの年が、

節分の日の思い出の中でも一番、印象に残っています。

 

毎年、

鬼は外、福は内と、大きな声で、豆まきをしていた我が家ですが、

あなたを見送り、あの子の成長と共に、

もう、大きな声で、豆まきをすることはなくなりました。

 

豪勢に蒔いていた豆も、今は、ひと粒ずつ。

 

今年も、とても小さな声で、豆まきを終えると、

年の数だけ豆を食べました。

 

年を取ったら、豆を食べるのが大変だね なんて、

あの頃、あなたと2人で笑いましたっけ。

 

年々、年の数だけ豆を食べるのが大変になってきた私ですが、

今年も無事に、ひと粒、増やすことが出来ましたよ。

 

あなたのところにも、あなたの年の数だけ、豆をお供えしました。

 

そちら側のあなたも、

元気に過ごすことが出来ますように。