拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

ジョニー

あなたへ

 

幼い頃は、寝起きが良かったあの子。

あの子を朝起こすのに、苦労をすることは、

きっと、これから先もないのだろう、なんて考えていたあの頃の私は、

今、思えば、とても浅はかでした。

 

高校生活にも慣れ、

夜更かしをすることが多くなったあの子は、

朝、なかなか起きません。

 

余裕を見た時間から、声を掛け始め、3度目でやっと起きるあの子ですが、

1度目に声を掛けると、毎朝のように、奴が顔を出すのです。

 

あ゛ぁ?分かってるよ!起きた!起きた!うるせーな!

 

これは、寝惚けたあの子が、吐き捨てる言葉。

普段は、温厚なタイプのあの子ですが、

寝不足の朝は、別人のように豹変するのです。

 

時には、小さな声で、

 

赤い牛乳、取ってる?

 

などと、可愛く、意味不明な言葉を発することもあるあの子ですが、

朝だけは、もう、あの頃の、

あなたが知っている、可愛いあの子ではありません。

 

先日、あの子に、

朝、起こすのがどんなに大変かという話をしました。

 

あの子の真似をした私に、

 

え?マジで?

うわーごめん

本当に申し訳ない

でも、それ俺じゃないよ

・・・ジョニーだよ

 

朝の半ギレ状態の時のことは、何も覚えていないと言います。

寝不足の朝だけ顔を出す、豹変したアレは、

決して俺ではないと言い出したあの子。

 

眠りたいという欲望に任せて、

その快楽を妨げる者、全てに牙を剥く、

恐ろしく凶暴な奴の名は、ジョニーと命名されました。

 

春休み中は、早起きをする機会が少なく、

あまり顔を出さなかったジョニーですが、

今日で、春休みも終わりを迎えました。

 

明日からまた始まる、ジョニーとの戦いに、なんだか、ため息が出てしまいますが、

あの子の成長と共に、

突然、ジョニーが姿を消す日が来るのかも知れませんね。

 

いつの間にか姿を消したジョニーを、ふと思い出し、

あの子の成長を感じながら、

懐かしく思う日も、きっといつか来るのでしょう。

 

明日から、あの子は、高校3年生になります。

大きくなったでしょ?

あの子は、あの頃と変わらず、

よく笑う、とてもいい子に育っていますよ。