拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

懐かしいという感情

あなたへ

 

過去を振り返り、その頃を思い出す時の感情は、

いつでも、懐かしいという言葉に当てはまる気持ちを抱いていた私。

 

あなたが側にいてくれたあの頃は、

過去の良き思い出を振り返った時の感情は、

懐かしいという感情しか、知らなかったように思います。

 

あなたを見送り、過去を振り返りながら、

懐かしいという感情には、当てはまらない気持ちがあることを知りました。

 

過去を懐かしいと思えるのは、

そこに少しも悲しみの感情のない、

良き思い出にすることが出来た思い出だけなのかも知れません。

 

あなたと過ごした日々を振り返る私の心には、

懐かしいという言葉では表現できない、

たくさんの感情が入り混じった気持ちがあります。

 

温かくて

苦しくて

愛おしくて

悲しくて

寂しくなって

時々、胸の奥がギュッてする

 

その感情を、悼むと表現することを知ったのは、

あなたを見送ってからのことでした。

 

それはきっと、

過去にできない過去を、思い出す時の気持ちなのだと思います。

 

あの子もまた、あなたのことを振り返る時には、

あの頃のことを、懐かしいとは表現しません。

 

恐らく、そこには、

懐かしいには当てはまらない、私と同じ感情があるのでしょう。

 

故人を懐かしむ気持ち

というように表現された言葉を目にすることがありますが、

私は、いつか、あなたと過ごした日々を、

懐かしいという感情で、振り返る日が来るのでしょうか。

 

今の私は、あなたとの時間を、過去に出来ないままでいますが、

懐かしいという感情が生まれた時に、

今とはまた、違う何かが見えるのかも知れませんね。

 

あなたは、そちら側で、

此処で過ごした日々を、どんな気持ちで思い出していますか。