拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

53才の人

あなたへ

 

高校に上がり、少しずつ、将来への道が定まってきたあの子は、

時々、その人生設計についてを、話してくれるようになりました。

 

何才までに、どんなことをして、

何才になる時には、こうなっていたい。

 

あの子の具体的な人生設計は、

あなたの年齢の頃まで決まっているようです。

 

そして、社会を引退した後は、

どんなことをしたいのか迄の話を聞かせてくれたあの子は、

ポツリと言いました。

 

色々考えてみると、人生って、短いよね と。

 

私があの子くらいの頃は、すぐ目の前にあるキラキラとした、

楽しいことを追いかけていたように思います。

 

人生は、短い。

そんなこと、考えたこともなかった。

 

あの子との会話の中、

 

時々、ずっと年上の人と話している気持ちにさせられるよ

 

そんなことを言った私に、あの子は言いました。

 

俺ね、中身は53才だと思うよって。

 

何故、53才なのかは、分からないそうですが、

なんとなく、

50才でも55才でもなく、53才なのだそうです。

 

あの子がそう感じるのだから、

きっと、あの子の中に、何かがあるのかも知れませんね。

 

あなたを見送り、時々、

あの子は、急いで大人になろうとしているのではないかと感じていた私。

 

それは、私の力不足であると、時に悩みながら、

これまで、あの子と向き合ってきた私ですが、

あの子に言わせると、それは違うのだそう。

 

確かに、辛い思いをした分、

早く成長した部分はあるかも知れないけれど、

記憶になくても、

前世の俺は、きっと色々なことを学んだんだと思うよ

それが生かされて、今の俺がいるんだと思うと、

こんな話をしてくれました。

 

とても不思議ですが、

あなたを見送ってから、

私が漠然と考えていたことと合致したあの子の言葉は、

とても的を射ているように感じました。

 

あの子が生まれ、あなたと2人で、その成長を見守りながら、

 

子育てをしているようで、

私たちが育ててもらっているんだね

 

いつか、あなたとそんな話をしましたが、

気が付けば、今の私は、あの子から学ぶことばかりで、

尊敬や敬意を向ける相手に、

年齢など関係ないのだと、つくづく、感じさせられます。

 

中身は53才だなんて、突拍子もないあの子の言葉ですが、

日々の生活の中、あの子と過ごしながら、

またひとつ、目には見えない不思議なものを見つけたように思いました。

 

 

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