拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

曾孫を抱く日

あなたへ

 

あの子は時々、

自分が思い描く将来について、語って聞かせてくれます。

 

どんな道へ進み、将来どんな人になりたいのか。

それから、結婚や子供のこと。

 

たくさんの話を聞かせてくれるあの子ですが、

先日、突拍子もないことを言い出しました。

 

もしもさ、

俺が早くに結婚して、子供が生まれてさ、

その子も早くに結婚して、子供が生まれたとしたら、

その頃、お母さんが生きてる可能性、あるよね?

その時は、曽孫にも会えるねって。

 

早ければ、間に合うかもね

 

そんな私の言葉に、

 

長生きしてね

曾孫にも会ってほしいよ

 

あの子は、そんなふうに言ってくれました。

 

曾孫だなんて、

随分と唐突なあの子の言葉に笑いましたが、

思わず、何十年か先の未来を、想像してしまいました。

 

曾孫を抱く日。

 

もしも本当にそんな日が来たなら、

どんなに素敵でしょうか。

 

私は、どんな気持ちで、曾孫を抱くのだろう。

 

もしも、その時まで、この生があるのなら、

その頃の私は、きっと、

今の私には見えない、素敵なものを、

たくさん、みつけることが出来ているのでしょう。

 

何十年も先の未来の私は、

何を学び、どんなことを知っているのか。

 

今の私には、まだ、全く想像もつきませんが、

ただ、ひとつ、

皺々のおばあちゃんになっても、

空を見上げ、あなたを想う私だけは、

きっと、今と何も変わらないのでしょう。

  

皺々になったこの手を、空へと伸ばし、

 

ねぇ、あなた

私、曾孫を抱くことができたのよ

もう、思い残すことなんて、なにもない

 

もうすぐ、あなたに逢えるかしら

 

そんなふうに呟いたのなら、

あなたは、なんて答えてくれるのでしょうか。