拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

あの子の友達

あなたへ

 

自転車のパンク修理

釣竿の手入れ

 

これは、あなたを見送ってから、間も無くのあの子が、

出来るようになったことです。

 

あの子には、ちょっと不思議な友達がいます。

 

あなたも知っている、

あの子が幼い頃から、仲が良かった近所の子。

 

私には、教えることが出来なかった、

自転車のパンク修理の仕方や、

釣竿の手入れの仕方。

 

それは、きっと、

父親から教わりながら、出来るようになるものなのでしょう。

 

それらを教わる前に、

居なくなってしまったあなたに変わるかのように、

あの子の友達が、あの子に教えてくれたのでした。

 

不思議なんだけど、

時々、お父さんに似てるんだよね

 

いつかのあの子は、その友達について、

あなたに似ていると、話してくれたことがありました。

 

あなたを見送るまでは、

そんなこと、感じたこともなかったのにと、

あの頃のあの子は、言ったのでした。

 

あの子達は、

小学生の頃に出会い、中学までを共に過ごしました。

 

今は、別々な高校へ通う2人ですが、

今でも、とても仲良し。

 

お互いに、特別な友達としての絆が生まれたようですよ。

 

ふと、あなたを見送ったばかりの、あの子の友達のことを思い出したのは、

先日、あの子と電話で話す、友達の声が、

私のところまで聞こえたからでした。

 

え?今の声、あの友達?

 

驚く私に、

 

そうだよ

大人の声になったでしょ?

 

なんて、笑ったあの子。

 

電話口から聞こえたのは、あの頃、家に来て、

あの子に、自転車のパンク修理の仕方を教えてくれていたその声とは、

まるで別人のように、大人へと近づいた声でした。

 

あの頃と、今の声を重ね合わせながら、

あなたを見送ってから間も無くの、

不思議な友達だねと、

あの子と話し合っていたことを、思い出していました。

 

あの子の特別な友達は、

少しだけ、あなたに似たものを持った、

面倒見の良い、とてもいい子です。

 

これから、大人になって、

お互いに見る景色が変わっていっても、

今のまま、ずっと、仲良しでいられるといいですね。