拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

あなた色が消えたこの世界で

あなたへ

 

時々、あなた色の眼鏡を掛けてみては、

この世界を眺めてみる。

 

私は、本当に、これで合っているのかなって。

 

こんなふうにして、この世界を眺めては、

あなたなら、どう感じるのだろうって、

時々、そんなことを考えます。

 

あなたは、いつでも、シンプルで、時に大胆で、格好良かった。

 

あの頃の私は、

素敵なものをたくさん持ったあなたの側で、

いつでも、あなた色に染まった世界を眺めていたのでした。

 

あなたの側にいるとね、

あなた色に染まった私も、少しだけ、

格好いい私になれた気がしたの。

 

だから、

私の色に、あなたの色が染まった世界を見るのが、

大好きだった。

 

ひとつの物事をね、

あなたなら、きっと、こう思うんだろうなって、

それが分かった時には、なんだか、嬉しかったの。

 

あなたを見送ってからの私は、時々、不安に感じてしまいます。

 

私は、いつか、

私だけの色になってしまわないだろうかって。

 

だって、

私だけが年を重ね、私だけが色々なものを見てる。

私が、どんなに年を重ねていっても、

あの夏を最後に、私の隣には、

一緒に年を重ねたあなたが、此処にいないもの。

 

私に染まったあなた色は、簡単に消えたりしない。

 

何度、そう自分に言い聞かせてみても、

本当は、すごく不安なんだ。

 

だって、どんなに頑張っても、

私は、あなたになることは出来ないんだって、気付いてしまったから。

 

もしも、私がこの先、道に迷ったら、

どうしたらいいのだろう。

 

力強いあなたの手で、背中を押してくれることもなければ、

初めての不安に遭遇した時、あなたなら、どうするか、

考えても、分からないことだって、きっとあるんだよ。

 

私が生きる今は、あなたがいない世界。

 

この先、どんなに前へと進んでみても、

もう、何処にもあなたの色がついた景色を見ることは出来ません。

 

時々、あなた色の眼鏡を取り出しては、

こうして、この世界を眺めながら、

私は、自分の足で歩まなければならないのでしょう。

 

私は今、間違っては、いませんか。

私はちゃんと、成長出来ているのでしょうか。

 

あなた色が消えたこの世界で、

私は何を感じ、

何を学ぶのでしょうか。