拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

あの子のトラブル回避方法

あなたへ

 

あの子が今の進学先へと進路を決めた時に、

密かに不安だったのは、電車での通学という点でした。

 

トラブルなんて、どこにでもあるけれど、

人が集まる駅のホームは、

特にトラブルも多いのではないかと考えていた私にとって、

本当は、とても心配していました。

 

電車での通学は、

一般的に見たら、何も珍しいことではないけれど、

親目線で見てしまえば、なんでも心配は尽きないもの。

あの子は、大丈夫かしらって。

 

毎朝、玄関で掛ける言葉。

いってらっしゃい

気を付けてね 

が、あの子の御守りになりますようにと、

そんな気持ちで、毎日、見送りました。

 

何事もなく、電車通学も2年が過ぎ、

入学当初の心配事も、不安から、安心へと変わり始めた、

高校3年生になったある日のことでした。

 

駅のホームで、怖そうな人に絡まれたよ

 

そんな話を聞かせてくれたあの子。

 

友達と談笑しながら、ホームを歩いていると、

突然、声を掛けられたと言います。

 

おい!何、笑ってんだよ!

 

立ち止まり、話を聞いてみれば、

ニヤニヤしながら、こっちを見ていた

喧嘩を売っているのか

ということだったそうです。

 

それは違うと話をしながら、

あの子は、喧嘩にならない方法を、考えていたと言います。

 

いくら武道を長く続けているからと言っても、

それを武器にはしたくないあの子。

 

どうにか、

この場を丸く収めたいと考えたあの子がした判断は、こうでした。

 

『色々話しながら、最後は、仲良くなっちゃった』

 

最終的には、皆でベンチに座り、色々と話し込み、

また会ったら宜しくね

そんな言葉を最後に、別れたそうです。

 

幼い頃は、

常に、私たちの半径数メートル以内にいたあの子。

 

いつでも、その成長を見守りながら過ごすことが出来ていましたが、

幼稚園、小学校、中学校と、

成長するほどに、少しずつ、目の届く範囲が限られて来ました。

 

今回の件は、相手が悪ければ、

怪我では済まされないトラブルに巻き込まれた可能性もあるのだと思います。

 

もしもを考え出せば、心配事は尽きませんが、

もしも にはならず、

その成長を確認することが出来た機会となりました。

 

高校生になったあの子の行動範囲は一気に広がり、

もう、私の目の届かないことばかりですが、

義務教育を終えたばかりの、

大人になる一歩手前の3年間は、

 

あの子なら、大丈夫

 

そんな安心の材料を探す時期なのかも知れませんね。

 

あの子の成長と共に、見守ることの難しさを痛感する私ですが、

こうして、ひとつずつ、成長する姿を確認しながら、

大人になる我が子の背中を精一杯押せるよう、

親として、成長させられる毎日です。

 

気が付けば、

あと数ヶ月で、高校生活も終わりだね

 

先日、あの子と、そんな話をしながら、

これまでの高校生活を振り返り、

私の心配を他所に、

しっかりと成長を見せてくれた出来事を思い出していました。