拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

オレンジ色のゴーグル

あなたへ

 

先日のあの子は、友達と一緒に、スノーボードに出掛けました。

あなたを見送ってから、何度目のスノーボードでしょうか。

あの頃よりも、随分、上達したようですよ。

 

帰宅早々に、雪山での動画を見せてくれたあの子は、

今年もまた、楽しかった様子を話して聞かせてくれました。

 

そうして、スノーボード用品を片付けながら、

あの子が見せてくれたのは、オレンジ色のゴーグルでした。

 

このゴーグル、覚えてる?

お父さんが買ってくれたんだよ

3人で買いに行ったじゃん

来年は、これを持ってスノーボードに行こうねって言ってさ

 

あの子の言葉に、見慣れないオレンジ色のゴーグルを見つめ、

あの頃の記憶を辿った私の中に蘇ったのは、

あなたと過ごした最後の冬の、ある日の記憶でした。

 

あれは、家族3人でスノーボードへ出掛けた数日後のこと。

 

来年は、もっとたくさん、スノーボードに行きたいねって、

そんな話をしながら、買い物へと出掛けたのでした。

 

あの子が見せてくれたのは、

あの日、あなたがあの子に買ってくれたゴーグル。

 

来年は、これを持ってスノーボードに行こうね って。

 

あの時のあなたは、私の分も、買おうって、言ってくれたけれど、

私は、ゴーグルを付けると見え難いから、使わないって言ったの。

 

うん、そうだったね

3人で買いに行ったね

 

私の記憶の隙間を埋めるように、

あの子が思い出させてくれた記憶の中で、笑っていたあなた。

 

あの時は、次のシーズンのスノーボードを、

とても楽しみにしていましたね。

 

あれから、

 

春が来て、

 

夏が来て、

 

あなたのその温もりは、もう此処にはないけれど、

あの頃よりも大きくなったあの子は、

あなたが使っていた板と、

あなたが買ってくれたゴーグルを使って、

スノーボードを楽しんでいますよ。

 

 

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