拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

新しい宝物

あなたへ

 

先日の、あの子の卒業式の日に撮った写真を眺めていました。

 

校門の前。

あの子と2人で撮ったこの写真は、

新しく加わった私の宝物です。

 

校門の前で写真撮らせて?

 

卒業式が無事に終わり、あの子と一緒に歩きながら、

あの日の私は、そんなお願いをしたのでした。

 

本当は、2人で一緒に撮りたかったけれど、

あの子は年頃です。

他の同級生がたくさんいる中で、

私と写真を撮るのは、恥ずかしがると思い、

せめて、卒業式の晴れの姿を1枚、写真に収めたいと思いました。

 

写真撮りたいの?いいよ

 

私の言葉に、そう返事をしてくれたあの子は、

近くにいた同級生に、自分の携帯電話を手渡しながら、

声を掛けたのでした。

 

お母さんと一緒に写真撮りたいから、シャッター押してくれる?

 

耳を疑いました。

反抗期を過ぎ、

あの子と一緒に出掛ける機会も、とても増えましたが、

同級生に目撃される可能性がある場所で、

私と一緒に歩くことを嫌がるのは、相変わらずで、

あの子は、まだまだそんな年頃のはずなのに、

お母さんと一緒に写真を撮りたいと言ってくれたのです。

 

あの子の言葉に、

これまでの3年間の出来事が、走馬灯のように思い出されました。

 

たくさん迷い、苦労したこともありました。

とても辛かったこともあったけれど、あの子の言葉は、

辛かったことや、苦労したことを、全部、帳消しにし、

代わりに、これまで苦労して良かったと、

そう思える3年間へと変えてくれたのです。

 

思い返せば、

高校へ入学した頃は、

まだまだ反抗期の真っ最中だったあの子。

 

あの日に、校門の前で撮った写真のあの子は、仏頂面で、

こんなところで写真を撮るのは恥ずかしいと、

笑顔を見せてはくれませんでした。

 

あれから3年の月日が流れ、

今、ここにあるのは、

なんだか緊張してしまって、上手く笑顔を作ることが出来ないでいる私の隣で、

最高の笑顔を見せるあの子の写真。

 

この写真を眺めながら、

これまで、頑張ってきて良かった。

あの子のお母さんになれて良かったと、

しみじみと、涙を流しながらも、

嬉しくて、なんだか笑ってしまうのです。

 

あの子と2人で、校門の前で撮った卒業式の写真と、

お母さんと一緒に、写真を撮りたいと言ってくれたあの子の声。

 

ここにまた、私の大切な宝物が増えました。

 

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