拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

3年前の想い

あなたへ

 

いつでも、

思い描いていた未来とは、違う未来が訪れるのが、

人生でありましょう。

 

3年前の私が思い描いていた、いつかの未来とは、

違った形で訪れた小さな出来事に、なんだか、笑ってしまいました。

 

3年前。

あの子が中学校を卒業した日に、

未来のあの子への手紙を、卒業アルバムに挟んだことを、

あなたにだけ、こっそりと知らせたことを覚えていますか。

 

私からあの子へのあの手紙は、

いつか、あの子の背中を押せればいいと、

そんな願いを込めて、綴りました。

 

いつ読まれるのだろうって、

ちょっぴりドキドキしながら、

あの手紙を挟んだ日のことを振り返ってみれば、

あの頃の私は、

次に、あの子が、中学校のアルバムを開く時は、

なにか辛いことがあった時なのかも知れないなって、

そんなことを考えていたのでした。

 

義務教育を終えて、あの子の見る世界は一気に広がり、

ガラリと変わったその生活に疲れて、

急に立ち止まってしまう日が、来るのかも知れないし、

大人になったあの子が、

子供の頃は良かったな

あの頃に戻りたいなって、

後ろを向いたまま、座り込んで、

そっとアルバムを開いてみるのかも知れないなって。

 

卒業アルバムの1番初めのページに手紙を挟んだのは、

あの子がアルバムを開いた時に、

見落とさずに、みつけてほしいと、そんな願いを込めてのことでした。

 

もしも、後ろを向いて、

立ち止まってしまったあの子が、アルバムを開いたのなら、

あの子の背中を全力で押せるように。

 

もしも、懐かしむ気持ちで、アルバムを開いたのなら、

あの時、楽しかったねって、たくさんの出来事を思い出せるように。

 

どんな時のあの子がアルバムを開いても、

あの子へのたくさんの愛が届きますようにと願いを込めて書いたあの手紙は、

いつかのあの子が、

ひとりで、中学校のアルバムを開いた時に、みつかる予定でした。

 

それなのに、なんということでしょうか。

あの手紙が、私がいるところで、みつかってしまったのです。

 

なにこれ?

 

突然のあの子の声に振り向くと、

あの子が手に持ち、ヒラヒラとさせていたのは、

3年前の私が書いた、あの手紙ではありませんか。

 

驚いて、あの子の膝の上を見てみれば、

中学校の卒業アルバムの1番初めのページが開かれていました。

 

え?あ・・・え?

 

あまりの動揺に、すぐに言葉が出ない私の気持ちを察してか、

今すぐには、読まない方がいいんでしょ?

ここにしまっておくからねと、

すぐに開封されることなく、手紙を元の位置へと戻したあの子ですが、

高校の卒業式を終えたあの子は今、

ひとりで家にいる時間が格段に増えています。

 

きっと、私が仕事へ出掛けている間に、

あの手紙は、開かれるのでしょう。

 

もう、あの手紙を読んだかも知れない

 

そう思いながら、

ただいまと声を掛けるのは、なんだか、恥ずかし過ぎますが、

あの頃、もしかしたら、

あの子の元へ、届かないかも知れないと考えていたあの手紙が、

あの子へ、無事に届いて良かったです。

 

あの頃の私が、思い描いていた未来とは違ったけれど、

なんだか笑ってしまうこの出来事は、

我が家らしいと言えるのかも知れませんね。

 

 

www.emiblog8.com