拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

特別な景色

あなたへ

 

桜の時期は、とても短いですね。

満開だった桜の花が散り始め、

こちらでは、

ピンク色の景色から、緑色の景色へと、変わりつつあります。

 

 

先日、

こちらでは、例年よりも早くに、桜が咲き始めましたよと、

あなたへ、そんな報告をしましたが、

今年の私は、コロナウイルスのことばかりが気になり、

誰もいない夕方に、ひとり、

咲き始めた桜の景色を楽しんだあの日が、

今年、最初で最後のお花見となってしまいました。

 

今年の私には、

ベンチに座って、ゆっくりと満開の桜の景色を眺めながら、

あなたを想う時間はなかったけれど、

また一歩、大人へと近づいたあの子が、

私に、初めての景色を見せてくれました。

 

あの子の車の助手席。

いつもとは違う道の景色を眺めれば、

新しい発見をすることが出来ました。

 

こんなところにも、桜の木があるんだね

 

満開の桜の木々の横を通り抜けながら、

運転するあの子と笑ったあの時間は、大切な宝物。

 

あなたと一緒に歩きたかった、桜の木がある土手の上も、

お気に入りの公園も、

散歩をすることは出来なかったけれど、

あの子が見せてくれた春は、

私にとっての、特別な景色でした。

 

もしも、今、私たちが過ごしているのが、

いつもと変わらない日々であったのなら、

散歩して帰ろうよと、

あの日の私は、きっとそんなふうに、

あの子に声を掛けたのでしょう。

 

来年のこの季節には、

またいつもの時間へと戻っているでしょうか。

 

今年初めて、あの子が見せてくれた景色を胸に焼き付けて、

また来年の桜の季節を、楽しみにしたいと思います。

 

 

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