拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

コトバ -初夏の風-

 

初夏の爽やかな風が頬を撫でる

間も無くやって来る夏の季節に

心が躍る

 

今年はどんな夏になるのだろう

 

ただただ

夏が待ち遠しくて

初夏の爽やかな風を感じるこの季節になると

意味もなくワクワクとした気持ちでいっぱいだったのは

あの夏を迎えるまでだった

 

大好きな夏の季節に

私は

大切な人を失った

 

夏を思わせる青空を眺めながら

私の中に蘇るのは

彼が此処からいなくなってしまったあの夏の記憶だ

 

誰にも

どうすることも出来ないことを

肌で感じながら

ただ彼の名前を呼びながら

泣くことしか出来なかった

この人生の中で

最も辛かった記憶が鮮明に蘇る

 

私はあれからの毎年

初夏の爽やかな風を感じながら

涙を流すようになった

 

彼に逢いたい

 

初夏の爽やかさは

私に

ワクワクとした気持ちと

胸の奥が締め付けられるような苦しさを

同時に運んでくるようになった

 

それでも私は夏が好きだ

 

私はきっと

この先もずっと

夏を嫌いになることはないのだろう

 

だって

夏は彼と出会った大切な季節だから

 

ひとしきり泣いた後には

目を閉じて

彼と出会った夏を思い出してみる

 

22年前の私は

間も無く

彼と出会う夏を迎えるんだ

 

これから出会う彼を大切にね

 

22年前の私に

そっと問いかけてみる