拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

生きるために

あなたへ

 

コロナウイルスという、耳慣れない言葉に怯えながら、

この数ヶ月の私たちは、細心の注意を払いながら、生活をしてきました。

 

神経質過ぎるのかも知れないと、時々考えてしまう程に、

注意をしてきたのは、

コロナウイルスに感染してしまったら、

この命は、確実に消えてしまうのではないかと考えたからでした。

 

普段は、元気な私ですが、

体調を崩すと、喘息を引き起こしてしまうことは、

あなたも、よく知っていますね。

 

夜中に喘息を引き起こしてしまった時の、

あなたの心配そうな顔は、今でも忘れられません。

あなたには、たくさん、心配を掛けてしまいました。

 

大人になるにつれて、随分、丈夫になりましたが、

幼い頃の私は、喘息が原因で、入院していたこともありました。

 

気管支系が、あまり丈夫とは言えない私は、

コロナウイルスに感染すれば、恐らく、命を落としてしまうのだろう。

実は、私は、こんなふうに怯えていました。

 

考えるほどに、何度も頭を過ったのは、

もしも私が命を落としてしまったら、ということでした。

 

コロナウイルス感染死の場合には、

看取ることも、最期の顔を見ることも出来ないのだと聞きました。

もしも、私が、コロナウイルスに感染し、死んでしまったら、

私を看取ることも、最期の顔を見ることも出来ないままに、

あの子は、ひとりぼっちで、

どんなふうに、私の死と向き合うのでしょうか。

 

考えただけで、胸が痛くなりました。

あの子はもう、笑えないのかも知れない と。

 

あなたが此処から居なくなり、生活が一変したように、

私が此処から居なくなってしまえば、

あの子の生活は、また一変してしまうのでしょう。

 

あの頃の、辛く苦しかったあの時間を、

あの子がひとりで向き合うなど、あってはなりません。

あの子はまだ、18歳です。

私は、まだまだ元気に、あの子の側にいなくてはならないのです。

 

健康で、若い方が、コロナウイルス感染症により、

亡くなられたというニュースも耳にしました。

誰もが、重篤化する危険性も、十分にあり得るのでしょう。

 

これまで、あの子とは、

何度も、コロナウイルスについてを話し合いながら、

細心の注意を払い、生活をしてきましたが、

先日、緊急事態宣言が解除されました。

ほんの少し、ホッとする一方で、私は、少し戸惑っています。

収束は、していないからです。

 

コロナウイルスに怯える一方で、

コロナウイルスのニュースはフェイクニュースであり、

ウイルスなど、初めから存在していないという噂も聞きました。

 

何が本当なのか、時々、分からなくなることもありますが、

きっと、最悪の事態を想定しながら生活をしていけば、

間違えはないのでしょう。

 

私たちは、ここまでを、元気に過ごして来ることが出来ました。

それは、

神経質過ぎるほどの、細心の注意を払って来た結果であるのかも知れません。

私たちは、まだ、もう少し、

このまま、神経質なやり方で過ごしてみようと思います。

 

いつの日か、あの頃は大変だったねと、

あの子と2人で話せる日を願って。

 

あなたの分まで、あの子の成長を見守るよ

全部、見てからそっちに逝くね

 

泣きながら、

あなたに、そう報告をした日のことを思い出します。

 

私、頑張るね

 

涙で歪んだあなたの遺影をみつめて呟いた、

頑張る の意味が、こんなにも大変なことまでもを孕んでいたとは、

思いもしませんでしたが、

いつか、あなたに良い報告が出来るよう、

私たちは、私たちのやり方で、過ごしていきたいと思います。

 

 

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