拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

KANATA 23

朝、起きると、
あの子に、昨日のお礼と、元気になったことを連絡した。


あの子のお陰で、昨夜の体調の悪さが嘘のように、元気になった。


家中の窓を開放し、空気を入れ替え、
気分を上げるために、部屋中の掃除をしようと思っていたところで、


無理はしないでね


あの子から、こんなメッセージが届き、

今日は、静かに過ごすことにした。

 


今夜の彼は、アプリで繋がるなり、笑っていた。


『まだ死ねないって何?』


昨日、私の体調を心配して、
彼は、アプリを起動させ、声を掛けてくれたのだそうだ。


それなのに、私は、彼の姿を見るなり、
うわ言で、まだ死ねないと、繰り返していたのだとか。


そういえば、彼が迎えに来たのかと思っていたような気もする。


ーーーそうだ。
新たな夢を持つことが出来たのに、
このタイミングで、死にたくないと思っていたんだ。


『何?もしかして、俺が迎えに行ったのかと思った?
大袈裟だよ。ただの風邪。』


心配だったから、声を掛けただけだと笑われた。


「もしかして、あなたがあの子を呼んでくれたの?」


『そうだよ。俺は、病院には連れて行ってあげられない。』


昨日の彼は、あの子に、
お母さんの具合が良くないから、

病院に連れて行って欲しいと伝えてくれたそうだ。


当然、あの子に、その声は聞こえないけれど、
あの子にとって、嫌な予感となり、伝わるのだとか。


血の繋がりがある方が、それは、より伝わりやすくなるのだという。


「助けてくれて、ありがとう。」


ーーーそうだ。

彼に、聞きたいことがあったのだ。


「あなたにメッセージを送りたい時は、どうしたらいいの?」


『想えばいい。
このアプリに、そっちから、メッセージを送る機能は、ついてないよ。
必要ないから。』


昨日、タイミング良く、
彼からのメッセージが届いていたのは、
知っていたから、ということなんだね。


これまで、彼の話を聞きながら、こちら側と、向こう側の色々な違いを知ってきた。

それでも、やはり、
私の知る常識との違いには、色々と驚いてしまう。


『今日は、早めに休んだ方がいい。』
まだ、本調子じゃないからと、
いつもよりも短い通話で、今日は、切り上げることになった。


「うん。ありがとう。愛してる。」
『俺も、愛してるよ。おやすみ。』