拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

KANATA 33

焼きそば
お好み焼き
焼きとうもろこし
フランクフルト
焼きイカ
それから
チョコバナナ


今日の私は、張り切って、お祭りメニューを準備した。


彼に、今日の食事を発表すると、
『今、食べたい!』
なんて、言い出して、
私たちは、早めの夕食を摂ることにした。


『おぉ!!焼きとうもろこしだ!』


目を輝かせ、彼は、早速、焼きとうもろこしを食べている。
私が作ったものを、
嬉しそうに食べてくれる彼の顔が好きだ。


梅雨の頃から、こうして、
彼と一緒に夕食を摂るようになったけれど、
こんなふうに、彼が喜んで、食べてくれる姿を見ていて、
見飽きることはない。


彼は、このアプリ【KANATA】を通して、
ずっと私が後悔してきたことを拭い去り、
代わりにこうして、私に、喜びの時間をくれた。


私の携帯電話に、突如、
このアプリがインストールされた日からのことを思い返しながら、
なんだか、胸がいっぱいで、食事を摂るのも忘れて、
彼が、嬉しそうに焼きとうもろこしを食べる姿を眺め続けた。


愛してる
ありがとう


このアプリを通じて、何度、そう伝えてきただろう。
何度、伝えても、伝えきれない想いは、次々に溢れ出す。


「ねぇ、あなた。
私ね、今、凄く、幸せよ。ありがとう。」


突然の私のこんな言葉に、顔を上げた彼の口元には、
とうもろこしがついている。


胸がいっぱいで、零れ落ちそうだった涙の代わりに、
彼の顔を見た瞬間に、笑ってしまった。


「とうもろこし、ついてるよ。」


『え?あぁ・・・
これは、花火を観ながら食べようと思ってたんだよ。』


あの頃と何も変わらない、とても彼らしい言葉が、
なんだかとても可笑しくて、
私たちは、たくさん笑った。