拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

白い煙

あなたへ

 

いつからだろう。

 

あなたの遺影を見つめる私の視界の端に、

時々、見えるものがあります。

 

それは、白い煙のようなもの。

 

あなたを見送り、

いつの頃から見えるようになったのか、

視界の端に、ふわりと映り込む白い煙は、

一瞬で消えてしまうけれど、

気のせいにしては、随分と、存在感を纏った気がするそれは、

まだ、誰にも話したことのない、

あなたを見送ってからの私が、見えるようになったものです。

 

ねぇ、あなたは、何処にいるの?

 

不意に寂しさがやって来ると、

あなたの前に座り込んで、じっと、あなたを見つめる私。

 

突然に、写真が写真じゃなくなって、

あなたが話し掛けてはくれないかなって、

いつまで待っても聞こえない、あなたの声を待ち続ける私の視界の端に入る、

白くふわりとしたものは、

いつでも、その全貌を確認する前に、消えてしまうの。

 

お線香を立てているわけでもないのに、

これは、あなたの場所だけで起こる、不思議な現象です。

 

ねぇ、あなたは、何処にいるの?

 

不確かで、曖昧なその存在を見失わないようにと、

あなたは、時々、私の視界の端に映り込んでは、

こうして、知らせてくれているのでしょうか。

 

此処にいるよ って。