拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

天寿

あなたへ

 

交通事故に遭っても、

仕事中に、大怪我をしても、

一旦は、救急車で運ばれながらも、

必ず、その日に帰って来てくれたあなた。

 

ネックカラーを巻かれていたり、

包帯を巻かれていたり、

痛々しい姿ではありましたが、

夜になれば、私たちは、必ず、

家族3人、同じ屋根の下に揃いました。

 

打ち所が良かったですね

入院の必要はありませんよ

 

診察をして下さった先生方からは、毎回、こんな話がありましたね。

 

偶然に

奇跡的に

 

その度に聞こえたのは、こんな言葉でした。

 

その怪我が治るまでの間、生活の不自由さはありましたが、

家族3人の形は変わらずに、

私たちは、あなたの側で、安心して過ごすことが出来ました。

 

何があっても、

必ず、家に帰って来てくれたあなたのその姿に、

私はこっそりと、不死身の人と名を付けました。

 

あなたはきっと、守られて、生きていたんだろうな。

 

生まれた時から、人の寿命は決まっていて、

若くに亡くなったとしても、

天寿を全うしたことになる

 

こんな言葉を見つけたのは、先日のことでした。

 

あなたはきっと、最期の時まで、

大切に、大切に、守られて、

そうして静かに、此処から居なくなったんだね。

 

私よりも年下になってしまったあなた。

 

その短い人生を、精一杯、生きて、

立派に、天寿を全うしたんだね。