拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

叶えてくれなくてもいい我儘

あなたへ

 

私ね、あなたと手を繋ぎたいの。

 

私ね、あなたと話がしたい。

 

その大きな手で髪を撫でながら、あの頃みたいに、

大丈夫だよって、言って欲しいの。

そうして、

その胸に耳を当てて、あなたの音が聞きたい。

 

それから、

一緒に、コーヒーを飲んで、同じ夜を見ながら、

今日はこんなことがあったよって、

他愛もないお喋りもしたい。

 

あなたのその声で、

あなたの言葉が聞きたいの。

 

時間が経てば、きっと・・・

 

誰かに貰ったこの言葉に、

私はいつか、

この辛い気持ちがなくなる日が来るのかなって、

思っていたよ。

 

あなたと逢えない時間を重ねれば、

あなたを過去にできるという意味なのかなって。

 

それを望むとも、望まなくとも、

苦しさから解放するために、

時間という魔法が、

私から、あなたの色を、少しずつ、消していくのかなって。

 

きっと、それは、悲しいものじゃなくて、

気持ちを穏やかにするための魔法なんだろうなって。

 

あなたを『想う』

 

時間を重ねた私には、

きっとそこに、

寂しい気持ちも、

逢いたい気持ちも含まれない、

『想う』の気持ちが存在するのだと思っていたよ。

 

でも、違ったんだ。

 

5年が経っても、

6年が経っても、

あなたのその手の温もりを離さなければならなかった日と、

同じ気持ちになるんだよ。

 

きっとね、この6年の時間が私にくれたのは、

逢いたい の気持ちを上手に隠す術。

 

涙を流したままじゃ、歩き難いから、

時間を掛けて、

どうしようもなく溢れてしまう感情を、

見えない場所に、

上手に、隠すことが出来る様になっただけなのよ。

 

どんなに時間が経っても、

あなたはきっと、過去の人にはならないの。

 

だから・・・

 

だからね。

 

上手に隠しておいたはずの、

逢いたい の気持ちを見つけてしまったら、

時々には、

こんなふうにたくさん、我儘を言ってもいいかな。

 

ただ、黙って聞いていてくれれば、それでいいの。

 

叶えてくれなくて、いいからさ。