拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

充分過ぎる時間

あなたへ

 

ねぇ、

あなたはどうして分かったの?

あなたが此処からいなくなってからの時間が、

私たちにとって、どんな時間なのかって。

 

確かにね、

あなたの思っていた通りだったよ。

 

あなたと2人で過ごした思い出と、

あの子と家族3人で過ごした思い出の数を数えながら、

まだまだ、時間が足りなかったな

本当はもっと一緒にいたかったよって、涙を流しながら、

もう、増えることのない思い出の数を、何度も数えたの。

 

あの時のあなたとか、

あの時のあなたとか、

此処に、確かに存在していたあなたのことを確認しながら、

このまま、時間が止まってしまえば良いとさえ、思っていたよ。

 

あの夏にあなたを置いたまま、前へ歩むことなんて、

私には、出来ないよってさ。

 

ずっと、一緒に同じ景色を見ていたかったね。

 

でもさ、

どれだけの時間を一緒に過ごしても、

きっと、足りないと感じてしまうんだろうな。

 

きっとね、

おじいちゃんとおばあちゃんになったって、

最後にその温もりを感じた日には、望んでしまうのよ。

 

もう少しだけ、

もう少しだけって、

きっとそう望んでしまうの。

 

皺々のその手を握り締めて、

もう少しだけ、一緒にいたかったなってさ。

 

2人でたくさんの年を重ねれば、

どちらが先に逝っても、きっと何の後悔もないのだろうって、

ずっとそう思っていたけれど、

充分過ぎる時間なんて、

きっと此処には、存在しないんだよ。

 

だから、

どんなに、あなたと2人で長生きが出来たとしても、

来世も、

その次の来世も、

きっと私は、あなたを探してしまうの。

 

此処で、どんなに同じ時間を重ねても、

足りるほどの数は、決して揃わなくて、

きっと、最後に約束するのよ。

 

きっとまた、来世で逢おうねって。

 

 

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