拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

あの夏のあなたに逢いたい

あなたへ

 

あの夏のあなたに逢いたい。

 

たくさんの想いを並べながら、

あの夏の日々を思い返していました。

 

突然に心臓を患い、もう、元の体に戻ることは出来ないと、

そう宣告されたあの頃のあなたに、

どんな言葉を掛けたら良いのかも分からずに、

私は、ただ黙って、

寄り添うことしか出来ずにいました。

 

あなたよりも、4つ年下だったあの頃の私は、

とても未熟で、とても頼りなかったね。

 

ずっと、あなたに守られて、

それまでを生きてきた私だったけれど、

あの夏のあなたに寄り添っていた私は、

今度は、あなたを守りたいと思っていたよ。

 

たくさんの想いを抱えながら、

上手く言葉に出来ないままに、

ただ、あなたの側に寄り添っていたあの頃の私は、

また明日、

また今度、

そんな約束が永遠にやって来るのだと、

信じて疑わなかった頃の私。

 

あの頃の私は、どれだけの想いを、

あなたに伝えることが出来ていたでしょうか。

 

もしも、今、

あの夏のあなたと向き合うことが出来たのなら、

私は、あの頃よりも、ずっと器用に、

想いを伝えることが出来たのでしょう。

 

もしも、今、

あの夏のあなたに、もう一度だけ、寄り添うことが出来たのなら、

あなたが抱えた大きな不安を、

もっと上手に、無くしてあげることが出来たのでしょう。

 

もしも、あの夏のあなたに、

もう一度だけ、逢えるのなら、

抱き締める術を、たくさん見つけることが出来た私が、

あの頃のあなたをギュッと抱き締めたい。

 

あの夏にいたあなたは、今、何処にいますか。

 

あの夏に、あなたのすぐ側にいた私は、

今日も、この世界で、あなたを想っているよ。