拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

心霊スポットと呼ばれる場所

あなたへ

 

心霊スポットと呼ばれる場所には、きっと2種類あると、

いつの頃からか、私は、そんなふうに考えるようになりました。

 

そこで命を落とし、何らかの未練を残した方の魂がある場所、

それから、神様のような存在が宿る場所。

 

どちらにおいても、遊び半分な気持ちでそこへ訪れれば、

説明のつかないような現象が起こることがあるのでしょう。

 

昨年のあの子が、ちょっと怖い体験をしたのは、

私の中で、神様のような存在が宿る場所と位置付けた場所でのことでした。

 

お母さん、何も感じない?

本当に?

大丈夫?

 

帰宅したあの子が、ただいまの挨拶よりも先に、

矢継ぎ早にこんな質問をして来たのは、

昨年のある日のことでした。

 

例えば、怖い話を聞いた時、

例えば、重苦しい雰囲気を纏った場所へ行った時、

何故だか、肩が痛くなるようになったのは、いつの頃からだったでしょうか。

 

特別な力など、何も持たないはずの私ですが、

これは、若い頃から私の身に起こる現象でした。

 

そんな私のことを知っているあの子は、

何も感じないかと、何度も私に確認すると、

ほんの少し、安堵の顔を見せながら話し始めたのは、

その日の出来事でした。

 

俺は、絶対に嫌だって言ったのに、

連れて行かれたんだよ

 

あの日の放課後、友人たちと、

次の授業で使う材料を買いに出掛けたあの子。

 

帰り道にドライブをしながら連れて行かれてしまったのは、

この辺りでは有名な心霊スポットでした。

 

友人の車に乗せてもらっていたあの子には、

そのまま車に乗って、

その場所へ行く以外の方法を見つけることが出来ないままに、

嫌がりながらも、目的地へと到着してしまったようです。

 

スポットとなる場所のすぐ近くにある空き地へと車を停めると、

そこで少しの時間を過ごし、漸く、帰ることになったそうですが・・・。

 

俺ね、どうしてか分からないんだけど、

空き地から車が走り出してから、ずっと、笑っていたんだよ

なにが可笑しいのか、自分でも分からないのに、笑いが止まらなかったの

それでね、もう1人の友達は、ずっと、泣いてたんだよ

怖いでしょ?

 

車内には、あの子を含め、4人が乗っていたそうですが、

1人は笑い、1人は涙を流し、あとの2人はどうしていたことやら、

想像しただけでも、なんだかとても恐ろしい光景です。

 

あなたを見送り、

本当に怖いのは、目に見えないものではなく、

悪い心を持った人間なのだと、

そんなふうに考えるようになったあの子ですが、

実は、異常なほどに怖がり。

 

スポットとなる場所から遠ざかり、

漸く、笑いが落ち着いた頃に、

コンビニエンスストアを見つけると、そこへ立ち寄り、

あの子は、塩を買って、

車に乗っていた全員と、友人の車へ、塩を振りかけたのだそうです。

 

あの日のあの子たちが行った心霊スポットは、

この辺りでは、有名な場所のひとつであるために、

様々なエピソードが存在します。

 

奇妙な体験や、恐ろしい体験、

中には、よく生きて帰って来れたなと思うほどに、

強烈なエピソードもありますが、

私の中でのその場所は、

深い理由もないままに、

とてつもなく強い神様のようなものが宿る、

神聖な場所として捉えている場所でした。

 

目に見えない不思議な力は、数多く存在すると思うよ

心霊スポットと呼ばれている場所にも、

神様みたいな存在のものが宿っている場所もあると思う

そんな神聖な場所に、

人間如きが入ってはいけないのかも知れないよ

でも、そこに道路があるからね

近辺を通らなくてはならない時は、

『通らせて頂く』

そんな気持ちで通れば、きっと、大丈夫だよ

ふざけた気持ちで行ってはいけない場所も、きっとこの世には、存在すると思うよ

 

こんな私の言葉に、あの子の気持ちは落ち着き、

その姿が見えなくとも、きっとあなたが存在するように、

他の何かが存在することも、不思議ではないと納得したようでした。

 

あれから、暫くが経ち、

用事が出来た私たちが、

あの辺りへと出掛けたのは、先日のことでした。

 

あれ?お母さん!ここにコンビニあったよね?

 

突然にあの子が指を差したのは、ただの林でした。

そんな場所には、コンビニエンスストアはありません。

ですが、あの子は、林を指差し、

そこにあったコンビニエンスストアで、

あの日、塩を買ったのだと言います。

 

店員さん、本当に人間だった?

 

こんな悪戯な私の言葉に、

 

人間だったよ!

あぁ!そうか!

閉店したんだよ!きっと・・・

 

あの子は、こんなことを言い出すと、

やがて、黙り込みました。

 

あの日のあの子が、

塩を買ったのだと言うコンビニエンスストアは、

果たして、本当に、

この世に存在するものだったのでしょうか。

 

とても不思議な出来事でしたが、

心霊スポットへ出掛けたあの子を含めた4人とも、

あれから特に何事もなく、元気に学校へ通っています。

 

これは、あの子が、人生で2番目に体験した、

怖くて不思議な出来事。

 

初めての、ちょっとだけ怖くて、不思議な出来事は、

またいつか、あなたにも話したいと思います。