拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

まだ見ぬ世界を楽しみに

あなたへ

 

あなたと初めて出会った頃は、

既に、携帯電話やPHSが普及し、必要な時に、

誰とでも連絡が取れる状態にありました。

 

番号教えて?

今度連絡するね

 

初めて出会った日のこんなやり取りから、

私たちは、いつでも好きな時に連絡が取れるようになりましたね。

 

初めてあなたから連絡が来た日には、

なんだかドキドキしてしまったこと、今でもよく覚えています。

 

ひとりに1台の携帯電話。

これは、今でこそ、当たり前ですが、

ふと、記憶にはない過去の私たちは、

どんなふうに約束を交わしていたのかなって、そんなことを考えいました。

 

前世、そのまた前世。

私たちはきっと、

その時代に合わせた恋愛をしてきたんだろうなって。

 

前世での私たちの時代は、

まだ固定電話が普及する前の時代だったでしょうか。

 

その頃の私たちは、募る想いを文字に認め、

お互いに、

想いを伝え合っていたのでしょうか。

 

私はきっと、あなたからの手紙を、

ワクワクとしながら、待っていたんだろうな。

 

その時代の私は、

あなたからの想いがたくさん詰まったその手紙たちを、

きっと、生涯、大切にしていたことでしょう。

 

時々には、あなたが見ていない場所で、

こっそりと読み返していたのかも知れません。

 

前世、そのまた前世。

 

次の晴れた夜、

あの場所に星が見えたら逢いに来るよ

 

こんな約束を交わしていた頃もあったのかも知れませんね。

 

その時代の私はきっと、雨の日も、曇りの日も、

毎日、空を眺めては、星を探していたのでしょう。

 

今の私たちには考えられないような不便な時代にも、

その時代にしか感じることの出来ない、

ワクワクとした楽しみが、きっと存在していたのだと思います。

 

それなら、来世、私たちがこの世で出会う頃には、

どんな時代になっているのでしょうか。

 

携帯電話よりも便利な手段が存在していて、

昔は、携帯電話と呼ばれるものがあったんだよね なんて、

こんな話をしているのかも知れませんね。

 

次にこの世界で出逢う私たちは、どんな時代を一緒に見るのだろう。

 

きっと、どんなに時代が変わっても、

あなたとの約束の日が近付けば、

私の中には、変わらない気持ちが存在するのでしょう。

 

どんな服を着て行こうかなとか、

どんな時間を過ごせるのだろうとか。

そうして、

約束の場所に来てくれたあなたの姿が見えると、

ほんの少し、胸の奥がキュッてすることも、

きっと、何度生まれ変わっても、

今の私が知っている気持ちがするのよ。

 

時々、ずっとずっと先の、来世を想像してみる。

その時には、どんな私でいたいのかを想像して、

じゃあ、今の私は、こんなことを頑張らなくちゃって。

まだ見ぬ世界を楽しみに、私は、今日も頑張ったよ。

 

 

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