拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

あなたを納骨しない理由

あなたへ

 

あなたはきっと、言うんだろうな。

 

それはもう、今の俺じゃないんだよ

そうだな・・・

それは、抜け殻みたいなものかな

俺はね、此処にいるんだよって。

 

姿が変わったあなたを大切に拾い集めて、

一緒に我が家へと帰宅したのは、

あなたが息を引き取ってから、4日後のことでした。

 

あなたの実家のお墓へ納骨するのか、

新たなお墓を準備するのか、

それとも、一旦、お寺で遺骨を預かって貰うのか。

 

あの頃の私の目の前にあったのは、こんな選択肢でした。

 

いつかは、決めなければならないんだろうな。

 

こんな漠然とした気持ちを抱えながらも、

私の目の前にある選択肢のどれもに、気が進まないまま、

時間は過ぎていました。

 

やがて、耳に入ってきたのは、

納骨は、いつ行っても問題はなく、

ずっと、遺骨を家へ置いておいても良いということでした。

 

それなら、まだもう少しだけ、このままでいたい。

 

こんな気持ちが消えないままに、いつの頃からか、

私が生きている間は、納骨はしないという新たな選択肢が生まれました。

 

もし、出来れば、

私が最期を迎えてから、あなたと一緒に、納骨してほしい。

 

こんな気持ちと向き合ってみると、

これまで釈然としなかった気持ちが、

漸く、軽くなったように感じました。

 

そうか。

私は、このまま、此処にあるあなたの全てと共に、

この人生を歩んで行きたいんだなって。

 

納骨の時期に決まりがないのなら、

私は、あなたと一緒がいい。

 

これが、たくさん悩んで見つけた、私の答えです。

 

私ね、凄く我慢して、あなたのその手を離したの。

本当はね、とても嫌だったよ。

 

我慢して、納骨することも考えたけれど、

やっぱり、

あの夏に、たくさん我慢したから、もう、我慢はしないよ。

 

私にとって、今、此処にあるのは、全部、あなただから。