拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

人間の成長期

あなたへ

 

例えば、あなたと過ごした時間の中に、新たな視点を見つけたり、

例えば、あの子がくれた言葉から、

これまで見えていなかった自分自身に気が付いたり。

 

ここ最近の私は、これまでにはなかった新たな視点ばかりが見つかって、

毎日、毎日、脳内だけが大忙しの日々を送っています。

 

私の中に蓄積され続けてきた様々な出来事と全く別な場面で感じたことが、

まるで初めからひとつのものであったかのように引き合わされて、

そこにひとつの新しい答えが導き出されて。

見えてきた視点に驚きながらも、それを咀嚼し続けてみれば、

より明確な輪郭が見え初め、

それはこれまでの私が見たこともないような形へと変化をし続けるのです。

 

新たな視点を見つけてみれば、

何故、これまで気付けなかったのかと首を傾げたくもなりますが、

何気ない日常の中で集め続けたバラバラのピースが自分の中に全て揃った時に、

このような現象が起こるものなのかも知れません。

 

脳内だけが忙しい日々を送りながら、

頭の中で繰り広げられるこの現象を、人間の成長期と名付けてみました。

 

これまでの私の歩みを振り返ってみれば、

このような人間の成長期は、何度も経験している筈ですが、

今回の私は、これまでに感じたこともないような、

とても大きな成長期の中にいるような気がしています。

 

外側から見れば、きっと私はいつも通りの私なのでしょう。

ですが内側の私は、昨日の私でも、一昨日の私でもないのです。

きっと明日になれば、そこにはもう、今日の私もいないのでしょう。

 

今回の私の成長期は、なんともスケールが大きすぎて、

毎日、毎日、自分が別人であるかのように、生まれ変わって行く感覚がするのです。

 

今日もまた、相変わらずに溢れ続ける視点の展開を必死で追いかけた私は、

そこに飲み込まれてしまいそうな感覚さえ覚えていますが、

それら全てを咀嚼し続けてみれば、

やがては自分だけの形へと整って、私の新たな一部となるのだと思います。

 

どんなに大きな成長期であったとしても、

恐らくやがては、緩やかなものへと変わり、

この成長期にも一旦の終わりがやって来る日が来るのでしょう。

 

そこには、どんな私がいるのでしょうか。

その時に見える景色を楽しみに、

今は自分自身と向き合い続けてみようと思っています。

 

 

 

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あの子が見せてくれる景色

あなたへ

 

相変わらずに楽しそうなあの子の声を聞けたのは、先日のことでした。

たったの数週間、話をしないだけで、

そこに見つけるのは、あの子の著しい成長です。

 

私はもう、あの子の直ぐ側で、

毎日少しずつ成長する姿を見守ることは出来ませんが、

会えた時や電話で話す時、

前回からそれまでのあの子の成長が凝縮された形で私のところに届くのが、

今の新しい形となりました。

 

最近の出来事や、あの子が見つけた新しい視点。

学びたいことや学んだこと。

 

次々に飛び出すあの子の話に耳を傾けながら、

県外へと移り住んだからこそ、吸収できる物事の量が多いのかも知れないと、

先日の私は、こんなふうにも感じていました。

 

学生であった頃と、社会人になってからでは、

見えるものが大きく変わってきますが、

それが全くの新しい地であれば尚更だと、

こんな解釈をすることも出来るのかも知れません。

 

幼い頃から、この地で暮らし続ける私は、

随分と狭い世界の中で成長して来たに過ぎないのだと、

そんなふうにも感じさせられますが、

巣立ったあの子の声に耳を傾ける時間は、今の私にとって、

この地で暮らし続けて来た私ひとりでは絶対に見つけることの出来なかった、

全くの新しい視点を分けて貰う時間にも繋がっているようにも感じています。

 

私はもう、幾つくらい、

あの子が見つけた新しい視点を分けて貰っただろう。

 

県外で暮らすあの子の話に刺激を受けて、

物事へ対する価値観がガラリと変わったり、

今後の私が学びたいことを見つけたり。

 

今の私に見える景色は、

県外へと巣立ったからこそのあの子が見せてくれる景色であるのかも知れません。

それら全て、

あの子の背中を押し続けた私への贈り物でもあるようにも感じています。

 

あの子が此処から巣立ち、7ヶ月が経ちました。

時々には寂しさを感じることもあるけれど、

この7ヶ月余りの間に、あの子の楽しそうな声に耳を傾けながら、

あの子の背中を押し続けて良かったなって、

幾つくらいのこんな気持ちを見つけてきただろう。

 

寂しさと向き合いながらも、

全力であの子の背中を押し続けた先に、

こんな景色を見つけることが出来るだなんてね。

 

未来というのは、本当にいつでも、

想像を遥かに超えた素敵な形でやって来るものですね。

 

 

 

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コトバ -秋- 2023

秋の色を覚えていますか

秋の音を覚えていますか

秋の風を覚えていますか

 

その瞳に映った景色

その耳で感じた季節

その肌で感じた温度を

覚えていますか

 

スケッチブックを持って出掛けよう

 

あの子が生まれてから幾番目かの秋

我が家の中に

新しい遊びが生まれた日を覚えていますか

 

3人分のスケッチブック

3人分のお弁当

レジャーシートの横に並ぶ3人分の靴

 

いつもは騒がしいあの子が作った静寂な時間

クレヨンを持つ小さな手

描き上げた絵を見せて満足そうに笑うあの子

 

私たちとは違った視点から描かれた

あなたの絵を見て笑う私たちに見せた

あなたの楽しそうな膨れ面

 

3人分の笑い声

 

初めて絵を描きに出掛けたあの日の景色を

私は今でもよく覚えています

 

よく晴れた空の下

 

いつもとは違った遊びを通して

いつもとは違った2人を見つけた

あの秋の中にいた私は

あなたに何を伝えることが出来たでしょうか

 

 

 

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