拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

人それぞれのペース

あなたへ

 

ねぇ、あなた。

どうして人って体がひとつしかないのだろう。

もしも、ひとりにつき、ふたつの体があったらね、

やりたいことももっと出来るし、より多くのことを学べると思うの。

 

もしも私がこんなことを言ったとしたのなら、

あなたはどんな顔で笑うのだろう。

 

もっと早く前へと歩みたい。

もっと早く次の景色に辿り着きたいと、半ば強引に、

かなり前のめりに歩もうとしていたのは、先日までの私です。

 

あなたを見送ってからの私は、

自分のペースで、ゆっくりと歩みを進めて来ましたが、不意に思ったのです。

もっと早く歩んでみたいと。

 

私には、この人生の中で見てみたい景色があります。

やりたいこと、学びたいこともたくさんあって、

そして、どうしても見つけたい答えも、たくさんあるのです。

 

それなのに、日々の生活の中には、

やらなけばらならないことが、必ず組み込まれていて、

自分のためだけに使える時間って、

実はそんなに多くはないのだと思いました。

 

自分の体がひとつしかないことに、もどかしささえもを感じながら、

それでもなんとか大股で歩む努力をするしかないのだと、

躍起になって自分自身との戦いに奮闘していた私を突然に襲って来たのは、

体調不良でした。

 

もう!なんで今なのよ!って、焦る気持ちもあったけれど、

一旦歩みを止めて、出来るだけ、ゆっくりと休んで。

そうしてやがて回復すると、その時を待っていたかのように、

私の日々の生活が、急に忙しくなって行きました。

 

やらなければならないことを日々こなしながらも、

やはり、体がふたつあれば良いのにとも思ってしまいますが、

きっと人生というのは、丁度良く出来ていて、

急ぎ足で歩もうとすれば、

ゆっくりと休まなければならない物事が、

起こったりもするものなのかも知れません。

 

体調不良でゆっくりと過ごした日々と、急に忙しくなった日々。

足して2で割ったら、

私にとってのいつものペースであることに気が付いて。

これが今の私にとっての丁度良い速度であるのかも知れないとも、

感じることが出来ました。

 

人にはきっと、それぞれに合ったペースというものがあって、

そのペースで歩むからこそ、

自分にとっての必要な色を揃えることが出来るものなのかも知れませんね。

 

此処から先へと歩みを進めて行けば、きっとまたいつの日か、

体がふたつあればと、

もどかしさを感じることもあるのかも知れないけれど、

そんな時は、一旦立ち止まって、深呼吸でもして。

ひとつしかない体を大切にしながら、

自分にとっての丁度良いペースで、歩んで行こうと思います。

 

 

www.emiblog8.com

 

 

 

魔法の言葉

あなたへ

 

あなた

行ってきます

今日も良い日にするからね

 

今朝のこんな私の声は、

あなたのところまで届いたでしょうか。

 

今日は、外出すると間も無くに、

いつかのあなたのエピソードを思い出して、

思わずクスッと笑ってしまう出来事がありました。

 

何気なく道行く人を眺めた私の目に留まったのは、

サラリーマン風のひとりの男性。

 

何やら忙しそうに歩きながらも、

ひとりで話をしている様子のその男性をよく見てみると、

何も持たない左手を、

なんとなく耳の辺りに置きながら話をしているではありませんか。

 

更に男性の左耳を見てみれば、

ハンズフリーのイヤホンマイクらしきものを発見しました。

 

ねぇ、なんだか、いつかのあなたみたい。

 

あの男性もきっと、

ハンズフリーという便利なものを使いながらも、

きっと、いつかのあなたと同じ理由で、

なんとなく耳の辺りに手を置いていたのよ。

 

忙しそうに私の目の前を通り過ぎる男性を見つめながら、

いつかのあなたが話してくれたエピソードと、

あの男性のポーズの裏側にあるであろうエピソードがピタリと一致して、

私は堪えきれずに、朝から笑ってしまったのでした。

 

とても些細なことだけれど、こんなふうに始まった私の今日1日は、

なんだかとても穏やかであったような気がします。

 

今日も良い日にしよう

こんな声から始める朝は、あれからも継続中。

 

なんだかとても不思議ですが、

新しい視点を持つことが出来た私の日々の中には、

こうして、なんだかちょっと笑ってしまう出来事や、

素敵な場面が、増えたようにも感じられます。

 

少しだけ晴れない気持ちを抱えたままで歩んでいたあの頃の私は、

晴れない気持ちを抱えていたからこそ、

何気ない日常の中を、より明るく照らしてくれるような、

魔法の言葉を見つけることが出来たのかも知れませんね。

 

 

 

www.emiblog8.com

 

 

www.emiblog8.com

 

 

チグハグの靴 -2024-

あなたへ

 

もう、この世界に、

あなたの存在を目視することは出来ないけれど、

それでもあなたの存在までもが消えてしまった訳ではないのだと、

あの夏からのあなたは、様々な方法で、

それを私に伝え続けてくれましたね。

 

目の前で起こり続けた不思議な出来事を見つめながら、

今のあなたは、ただ、私たちとはいる世界が違うだけなのだと、

少しずつ、少しずつ、こんな答えに納得をして、

私は少しずつ、

あなたがいないこの世界に、

あなたが隣にいないこの人生に、

慣れる決心が出来たのだと思っていました。

 

本当は、あなたに逢いたいけれど、

本当は、あなたの隣で笑っていたかったけれど、

・・・でも。

 

あなたを見送り、様々な角度から、

この人生を見つめるようになった私は、

やがて様々な夢や目標、見てみたい景色を思い描くようになって。

 

気が付けば、この人生の中で、

やりたいことや、

やらなければならないことをたくさん見つけることが出来ました。

 

特に、アレです。

 

次にこの世界であなたと出会う私は、

史上最高のいい女になっているはずだから、絶対に私のことを離さないでねって、

いつかの私は、こんな手紙を書きましたが、

日々、自分磨きに精を出しながらも、ふと思ったりもするのです。

史上最高のいい女って、どんな女よ?って。

 

並大抵の努力なんかでは、

きっと叶わない大きな目標までもを見つけてしまった今世の私は、

とても忙しい。

 

だって私は、この人生の時間全てを賭けた、

一大プロジェクトに挑んでいるのですから。

 

あなたを想いながら、

この生を生きることに覚悟を決めることが出来た私は、

心の何処かで、思っていたのかも知れません。

 

あなたに逢いたいとしながらも、

その、逢いたいという気持ちにはきっと、種類や段階のようなものがあって、

ギュッと締め付けられるような逃げ場のない痛みを感じる瞬間が訪れても、

きっとほんの僅かにずつ、

あの夏の私が知らなかった逢いたいという気持ちへと、

変化して行くものなのかも知れないと。

 

それはきっと、あの夏の私が感じていたものよりも、

穏やかで、緩い痛みを伴った感情なのだと、

無意識にも、いつの間にかこんなふうに、考えていたのかも知れません。

 

無意識に作り上げて来た考え方を突然に打ち砕き、

私の本当の気持ちを見つけさせてくれたのは、

あなたが買ってくれたピンク色の鍋でした。

 

私はまた、いつの間にか、

チグハグの靴を履いて歩んでいたのかも知れません。

そう。いつかのあの時のように。

 

どんなに大きな目標を見つけようとも、

あの夏からどんなに前へと歩み続けようとも、

私は、あなたがいないこの世界に慣れたわけじゃない。

本当は、慣れるしかなかっただけ。

 

それでも、この人生を大切に歩んで行こうと決めることが出来たのは、

あなたのお陰なのです。

だって、私は知ることが出来たもの。

生きることがどれだけ素敵で、掛け替えのないものであるのかを。

 

本当は寂しい

本当は逢いたい

本当は・・・

 

こんな想いを抱えたままで、

それでもこの人生を生きてみたいと思えるようになった私は、

何処かでチグハグな靴へと履き替えて、歩みを進めていたのでしょう。

 

いつか、本当の気持ちと向き合える時がやって来るまで、

自分自身を守るために。

 

あなたが買ってくれたピンク色の鍋はきっと、

私にチグハグの靴を脱ぐ時がやって来たことを知らせてくれたのでしょう。

 

私に、あの日の記憶を辿らせると、

封印を解くかのように、

私に本当の気持ちを見つけさせてくれたのだと思いました。

 

本当は、私はあの夏からずっと、

あなたに逢いたくて、堪らなかったのだと。

 

チグハグの靴を脱いで、ちゃんと揃った靴に履き替えて。

新しい朝を迎えた私はまた、此処から一歩ずつ歩みを進めながら、

あの夏から何も変わらない痛みを感じることもあるのでしょう。

 

そんな時には、

あぁ!もう!あなたに逢いたい!

今すぐ逢いたい!

でも生きたい!

私は新しい明日を迎えたいの!

ちゃんとこの人生歩んで、今の私が知らない景色を見てみたい!って、

こんな、ごちゃ混ぜな感情も全部、大切にしながら歩んで行くよ。

 

大丈夫。

どんなに痛みを感じても、

私はもう、泣いたりはしないから。

 

だって、今の私は、

この瞳に映る景色が、どれだけ素敵な景色であるのかに、

ちゃんと気付くことが出来たのだから。

 

 

 

www.emiblog8.com

 

 

www.emiblog8.com

 

 

www.emiblog8.com