拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧

宇宙のこと

あなたへ 先日、あの子が突然、宇宙について、語り出しました。 宇宙は、どんなふうに生まれたのか。ブラックホールに吸い込まれたら、どうなるのか。宇宙について、あの子なりの仮説を、色々と聞かせてくれました。 今まで、誰にも話した事はなかったけれど…

コトバ -想い-

空を眺めて彼を想う 今日はね こんな事があってね 今日はね こんな事を頑張ったよ 明日はね こんな事を頑張ろうと思うよ あのね あの子がね 伝えたい事はとめどなく溢れてくる あのね こんな事が出来るようになったよ あの子と こんな話をしたよ 夢の中で逢…

アップルパイ

あなたへ 先日、あなたのお母さんが、野菜をたくさん持ってきてくれました。時々、こうして来てくれること、本当に感謝しています。 お母さんが持ってきてくれた、たくさんの野菜と一緒に、 アップルパイが入っていました。 あなたは、覚えていますか? あな…

おじいちゃんの記憶

あなたへ 先日、あの子と一緒に、マスカットを食べながら、 ふと、思い出し、20年前に亡くなった、私のおじいちゃんの話をしました。 私が、小さかった頃、おじいちゃんは、庭で、マスカットを育てていてね。おじいちゃんの家の近所に住んでいた、 私と同じ…

初めてのラブレター

あなたへ 先日、あなたのものを整理していたら、見つけてしまいました。 結婚する前に、私があなたに書いた初めてのラブレターを。 それは、私達が出会って、 初めて迎えたあなたの誕生日に、プレゼントと一緒に渡した手紙でした。 取って置いてくれたんです…

大丈夫

あなたへ 今日は、とても疲れてしまいました。 こんなふうに元気が出ない日には、あなたに、側にいて欲しくて、逢いたくなる。 あなたに寄り掛かって少し、休んだら、きっと元気になると思うんだ。 寂しいよ・・・ こんな事言ったら、あなたに心配されてしま…

パックお化け

あなたへ あなたがいた頃は、どうやって、時間を作っていたんだろう。 あの日から、時間に追われる事は、相変わらずで、なかなか、あの頃みたいに、自分に時間を掛ける時間が、取れません。 いつまでも、あなたの綺麗な妻でいたい。 そんな気持ちを思い出し…

月夜の夜に

あなたへ 今夜は月がとても綺麗です。ちょっと、寒かったけれど、しばらく、月を見ていました。 夜の匂いを嗅ぐとね。 結婚する前の私たちの事を思い出します。 仕事が忙しかったあなたの帰りは、 いつでも、とっくに日が暮れてからで、 疲れているはずなの…

背比べ

あなたへ 先日、あの子の学校で、身体測定が、ありました。 この間よりも、また大きくなって、 あなたの身長まで、あと、1mmですって。 あんなに小さかったあの子が、 あなたの身長に追いつきそうな時が来るなんて、生まれたばかりの頃は、想像も、出来ませ…

コトバ -最後の我儘-

それは 彼がいなくなり 間もなくの事だった 小さな 丸いお菓子を全部食べたら 彼のところに行ける という夢を見た 手元を見ると 半分程を食べた そのお菓子があった あと残り半分を食べれば 彼のところに行けるんだ そう思って 私は そのお菓子を見つめてい…

願い

あなたへ もしも時間を戻す事が出来たなら、私は、行きたい日があります。 あなたの検査手術の説明のあった日。 あの日の話では、検査手術の翌日には、一時帰宅をする予定でしたね。 手術と言っても、メスを入れるわけではないから、 翌日には、一時帰宅して…

インフルエンザ予防接種のこと

あなたへ 先日、あの子のインフルエンザ予防接種券が届きました。 あなたがこちらにいた頃は、インフルエンザの予防接種も、 家族行事のひとつでしたね。 診察室では、決まって、あなたが最初に受けて、その次は、私。一番最後は、あの子の順番でしたね。 あ…

ホタル

あなたへ 近頃のあの子の様子には、目に余るものがあり、 ちょっと・・・ いえ、本当は、かなりの悩みどころでした。 一言で様子を伝えるなら、友達と遊んでばかり。 それはまるで、現実逃避をしているようにも、 あの子にしか見えない恐怖から、必死に逃げ…

小さな一歩

あなたへ 昨日ね、ワイパーをかけても、前が見えなかったんだよ ワイパーのゴムを交換した方がいいね 近くのカー用品店に行けば、変えてくれるから 行けるよね? これは、雨が降った翌日の、 病室でのあなたとの会話でしたね。 あなたが退院するまで待ってる…

コトバ -雲の階段-

雲に乗ることができたらいいのに それは小さな頃の私の夢だった 友達と一緒に空を見上げて どの雲に乗ってみたいか 空想したことが懐かしい もしも 雲に乗ることができたら 彼のところまで 雲の階段を作って 逢いに行こう 彼が好きだった お菓子とジュースを…

最後のプレゼント

あなたへ あなたを見送ってから、初めての私の誕生日の日のことでした。 あの子は、小さなポーチを私に手渡しながら、言いました。 誕生日おめでとう。これは、お父さんと僕からのプレゼントだよ と。 小さな可愛いポーチの中には、ノートが入っていました。…

一歩踏み出す勇気

あなたへ あのね、あなた 今日は、報告があります。 実は、ここを引っ越そうかなって思っています。 あなたを送り出し、漠然と、引越しの事を考えながら、 少しずつ、少しずつ、片付けを始めました。 本当は、2年前の夏のまま、 何も変えずに、暮らして行け…