拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

2017-06-01から1ヶ月間の記事一覧

あなたへ あなたを送り出した頃の私の髪は、肩下、何センチくらいだったでしょうか。 あなたを見送り、もうすぐ、2年と11ヶ月。 あなたの温もりが残っている気がして、切れずにいた私の髪は、腰までの長さになりました。 時々、自分で髪を撫でながら、あなた…

この記憶がリセットされる日まで

あなたへ あなたを見送り、どれくらいの時間が経った頃だったでしょうか。 なんとか、あなたが側にいない生活に、前を向こうと、頑張り始めた頃だったと思います。 調べ物をしていたら、たまたま、死別者の婚姻関係についての言葉が、目に留まりました。 そ…

あの子が初めて見たもの

あなたへ 先日、あの子と一緒に、夜の公園に出掛けました。その場所で、あの子に、どうしても、見せたいものがありました。 あの子がまだ、一度も見たことのなかったホタル。 この辺りでも、あなたの実家の方でも、ホタルを見た話は聞かず、見る事は出来ない…

あの子との時間

あなたへ 先日、あの子が、高校生になった日の写真を見ました。 あれから、まだ2カ月程しか経っていませんが、なんだか、幼く、可愛らしいその姿に、あの子と一緒に笑いました。 初めてのネクタイも、大きめの制服も、今は、立派に着こなし、すっかり高校生…

ミサンガ

あなたへ 先日、 もう随分前から、あの子に頼まれていたミサンガを作りました。 あの子の幸せを願い、仕上げたミサンガを渡すと、やっと作ってくれたんだねって、とても嬉しそうに、すぐに、つけてくれました。 もしも、あなたが側にいてくれたら いつでも、…

コトバ -赤い糸-

運命の赤い糸って信じる? 私は信じてる あの時もしもあの場所にいなかったら私達は出会わなかった あの時もしもあなたと話す事がなかったら二度と会う事はなかった でもあの時私達は同じ場所に居合わせ 話をしまた会おうねって約束をした 運命の赤い糸って…

あなたへ あなたは、時々、不思議な夢を見る人でしたね。 あれは、あの子が生まれてから、どのくらいの頃だったでしょうか。小さかったあの子を寝かせ、あなたと2人きりの、短い夜のひと時。 結婚する前の、私達の話をしましたね。 あなたと結婚する事も、お…

あなたへ 雨上がりの空に、虹が架かる夢を見ました。 それは、とても綺麗な虹でした。 虹を眺める私の隣には、あなたがいました。いえ、正確には、あなたの気配が、そこにありました。 言葉を交わすこともなく、ただ、あなたと一緒に、虹を眺めました。 あな…

赤いシャツ

あなたへ あなたを見送り、あなたの私服は、今、あの子が着ています。 あなたを想い、寂しそうにしながらも、こんなにかっこいい服、持ってたの?って、あなたの服を広げては、この服、僕が貰ってもいい?って、あの子の寂しい瞳の中に、キラキラとしたもの…

コトバ -わたしへ-

雨の日には 泣いてもいいんだよ 雨はその涙をそっと隠してくれるから 雨の日には 弱音を吐いてもいいんだよ 小さくついたそのため息はきっと雨音が消してくれるから 俯いて独り言 辛いんだ寂しいんだ上手く笑えないよ だってさ・・・ 逢いたいよ逢いたいよど…

約束

あなたへ あれは、あなたが一般病棟へ移り、間も無くの頃でした。やっと、ICUから出られたあなたは、院内を自由に動けるようになり、誰もお見舞いに来ていない時間には、院内のコンビニへ出掛けるようになりましたね。 あなたが、元気だった頃に、よく飲んで…

またね

あなたへ あなたの夢を見ました。 そこには、2つの道がありました。 どちらへ進んでいいのか分からずに、立ち止まった私の横に並んだあなたが、 こっちだよ そう言って、進むべき方を教えてくれる夢でした。 近頃、迷いのある私。 その夢は、あなたが、導こ…

あの子の髪型

あなたへ 高校生になってからのあの子は、毎朝、髪をセットして、登校するようになりました。 あの子が通う学校では、校則が比較的緩く、髪型などは自由なようです。 セットの仕方も、随分と慣れてきたようですが、髪型が決まらないと、なかなか鏡の前から動…

ひまわりの約束

あなたへ どうして君が泣くの まだ僕も泣いていないのに自分より 悲しむから つらいのがどっちか わからなくなるよガラクタだったはずの今日が ふたりなら 宝物になるそばにいたいよ 君のために出来ることが 僕にあるかないつも君に ずっと君に 笑っていてほ…

お父さん

あなたへ 新しい環境に慣れたあの子は、毎日、楽しく学校生活を送っていますよ。 学校での出来事。新しい友達の話や、先生のモノマネ。 いつも楽しい話を、たくさん聞かせてくれますが、先日、友達と、お父さんの話題になったことを話してくれました。 お前…

大きな手

あなたへ いつもの夜の挨拶。おやすみとハイタッチをしながら、あの子が言いました。あれ?俺の手、大きくなったよね?って。 久し振りに、手を合わせて、比べてみると、私の手よりも、関節ひとつ分、あの子の手の方が大きくなっていました。 あの子の手は、…

コトバ -幸せのカケラ-

色鮮やかな過去の世界に広がる幸せのカケラを集めた ひとつ またひとつ と 大切に拾い集めた幸せのカケラを繋ぎ合わせては大切な人を思い浮かべた 鮮やかに蘇る 笑顔 仕草 声 温もり 言葉 優しさ 愛 こんなにも こんなにも側にいてくれたんだね どんなに拾い…

今日の天気

あなたへ 今朝、目が覚めると、空一面、真っ暗な雲に覆われていました。そうして、間も無くに、鳴り響く雷と、一気に降り出した雨。 それは、あなたを見送った日の、私の心に見えました。 雨足は、どんどん強くなり、地面を叩きつける雨は、あの日の、私の涙…

1匹のホタル

あなたへ 今日から、6月になりました。 丁度、今頃の時期の夜のドライブ。 まだ、結婚する前の私達が、1匹のホタルを見つけた事を覚えていますか? 見て、ホタルが飛んでるよ あなたの言葉に、あの日、私は、生まれて2度目のホタルを見ました。 その小さな光…