拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

2018-01-01から1年間の記事一覧

忍者の巻物

あなたへ 大きくなったら、忍者になりたい あの子が初めて見つけた将来の夢を、あなたは覚えていますか。 あれは、あの子がまだ、幼稚園へ上がる前のことでした。 たまたまテレビで見た忍者に憧れて、大きくなったら、僕も忍者になりたいそう夢見たあの子。 …

あなたの側で過ごした至福の時間

あなたへ 多趣味な私の、好きなことのひとつ。手芸は、私にとって、長い歴史のあるものでした。 あなたが側にいてくれた頃、あの子が眠ると、ものづくりに没頭した、いくつもの夜。 テレビを楽しむあなたの側で、好きなものを作りながら過ごした短い時間は、…

携帯電話の新しい機能

あなたへ 先日、古い携帯電話を眺めながら、あれから、少しの時間が経った私たちの会話を思い出していました。 電話の機能しかなかった携帯電話に、メール機能が追加され、少しずつ進化していった携帯電話。 次は、どんな携帯電話が発売されると思う? こん…

かぼちゃのプリン

あなたへ 先日、あなたに宣言した、かぼちゃのプリンに挑戦しました。 硬いかぼちゃを切りながら、あなたのことを思い出していました。 いつも、頂き物の丸いままのかぼちゃを切ることに苦労していた私。心配そうにキッチンに入ってきたあなたは、 硬いから…

伯母との電話

あなたへ 父方の伯母へ、新米を頂いたお礼の電話をしました。 あなたを見送り、あの子と私のことを、とても心配してくれる伯母。 元気にしてる?変わりない? そんな話から、伯母は、色々な話を聞かせてくれます。 私が会うことのなかった父方の祖母の話や、…

ただ逢いたい

あなたへ あなたと他愛もないお喋りをした幾つもの夜を、思い出していました。 そこで触れた、あなたの考え方に、笑ったり、勉強させられたり。 あなたとの何気ない会話が、私にとって、どんなに大切であったかを、思い出していました。 あなたと離れ、4年と…

コトバ -救う-

あれもこれもしてあげることができて良かった私は時々そんなふうに考える 大切なご家族を亡くされ憔悴しきった先輩色々と後悔していることがあってねそんな話を聞かせてくれた その気持ちに同調しながら私は話したんだ あれもこれもしてあげることができて良…

初めてのメールアドレス

あなたへ 古い形の携帯電話を覚えていますか。今では、もう、見かけなくなった、細長い形の携帯電話。 掃除をしながら、あの頃の携帯電話を見つけました。 あの頃の流行りだった、着信で光るアンテナやキーホルダー。当時、私が好きだったキャラクターのもの…

3つのカラー

あなたへ あの子の頑固なところは、あなたに似ているね 自己主張を覚えたばかりの、小さなあの子の成長に、微笑ましく思いながら、あなたに、憎まれ口を叩いた私。 は?絶対、俺じゃないよ そんなことを言いながらも、あなたに似ているという言葉に嬉しそう…

キラキラの世界

あなたへ とても素敵なものを見つけました。 そこは、夢の中。小型の飛行機に乗せてもらう夢を見ました。 空高くに上昇したと思ったら、地上ギリギリまでの低空飛行。向かいから走ってきた車に接触寸前で、急上昇。 上空でも、幾つものアクロバティックな飛…

月命日

あなたへ 月命日というものがあることを知ったのは、あなたを見送り、どのくらいが経った頃だったでしょうか。 あなたを見送るまで、その流れやマナーを、ほぼ何も知らなかった私。 インターネットで調べることも出来ましたが、そこに書かれている、故人とい…

たくさんの温かさ

あなたへ 元気にしてる?最近どう?今度、ご飯でも行かない? あなたを見送り、私の様子を気遣ってくれた友人たち。 ありがとう元気にしてるよもう少し、気持ちが落ち着いたら、連絡するねごめんね うん、待ってるね 私には、ずっと、待ってくれていた友人た…

自慢の息子

あなたへ お父さんは、いつも、君のことを自慢の息子だと話していたよ これは、あなたを見送り、初めてのお盆に、お線香をあげに来て下さった、あなたの仕事関係の方からの言葉でした。その方は、会社でのあなたのことを、たくさん聞かせて下さいました。 そ…

特別な週末

あなたへ 昨日、いつもより早起きをした私は、午後になり、いつの間にか、うたた寝をしていたようでした。 明日には、向こうに帰るけれど、この週末だけ、こっちに帰って来れることになったよ そう言って、家に帰って来てくれたあなた。 おかえりなさい体は…

ゴハンツブ

あなたへ 先日、あの子と一緒に、オケラをインターネットで調べながら、私が幼い頃に捕まえて遊んでいた「ゴハンツブ」のことを思い出していました。 今となっては、ゾッとしますが、幼い頃は、虫が平気だった私。 カマキリバッタカブト虫クワガタカミキリム…

初めて見たもの

あなたへ 先日、アルバイトから帰ったあの子は、早々に、見たこともない虫を見つけたことを話してくれました。 モグラみたいで、毛が生えてたよザリガニみたいな感じの前足で、太かった掴んでみたら、力が強くて、意外と柔らかかったんだそうだな、カブト虫…

コトバ -彼がくれたもの-

茶色の クマのぬいぐるみ赤い うさぎのぬいぐるみキーホルダー文房具パズルステッカー服小物入れアクセサリー木彫りのうさぎキノコの置物 私の部屋は彼がくれたものでいっぱいになった 誰かを想う気持ち笑顔永遠の愛かけがえのない命絆何処にでもある小さな…

秋のお菓子

あなたへ こちらでは、夏の夜の寝苦しさから解放され、気持ちよく眠りにつける季節を迎えました。 先日、この時期の食材をたくさん頂いたので、今日は、朝から、さつまいものクッキーと、栗を使ったケーキを焼きました。 いつかのあなたは、夢の中、お友達の…

あなたより1日長く生きた日

あなたへ 道端に咲いた 秋の花をみつけたこと 小さな子供の手を引いて歩く親子の姿が微笑ましかったこと 川の流れる音が 心地良かったこと 雲の隙間から見えた空色が 綺麗だったこと 曇り空から青空に変わり私の好みの雲の形をみつけたこと いつもと変わらな…

小さな試練

あなたへ よりにもよって、あの子が不在の時に、それは現れました。 いつも通り、帰宅後に、あなたにお線香をあげ、立ち上がった私の目の端に映り込んだのは、黒っぽい物体でした。 恐る恐る、そちらへ視線を向けてみると、嫌な予感は的中し、何処から入って…

私が知らない私

あなたへ 白が似合うよ あなたと出会い、どのくらいが経った頃だったでしょうか。私を連れてお店に入ったかと思えば、突然に、白のジャケットをプレゼントしてくれたあなた。 あれは、あなたが初めて、私に選んでくれた服でした。 先日、箪笥の中を整理しな…

誕生日プレゼント

あなたへ あれは、私の誕生日のことでした。 誕生日プレゼントに、今度、食事をご馳走してあげるよ そんなふうに言ってくれていたあの子。 あれから、約半年が経った先日、あの子が食事に誘ってくれました。 誕生日プレゼントに食事に行く約束していたの覚え…

コトバ -秋- 2018

秋の色を 覚えていますか秋の音を 覚えていますか秋の風を 覚えていますか その瞳に映った景色その耳で感じた季節その肌で感じた温度を覚えていますか 一緒に過ごした2番目の秋 ふたりで作った思い出を数えながら微笑み合ったこと あの頃のふたりを覚えてい…

あなたの綺麗な妻でいるために

あなたへ アルバイトから帰宅したあの子は、時々、疲れて寝転がったまま、なかなか起きようとしません。 そんな時、お風呂に入って寝たら?って私の言葉に、決まって、じゃあ、起こしてって、あなたみたいに両手を私に差し出すあの子。 普段、デスクワークの…

あなたの想い

あなたへ 私が泣いている時、あなたも、何処かで悲しんでいるのでしょうか。 あれは、間も無く、4回目のあなたの命日を迎えようとしている頃のことでした。 あの頃の私は、あなたを想いながら、今にも涙が溢れそうなのに、何故だか、涙が溢れることはありま…

夏休みの思い出

あなたへ あの子の夏休みが終わり、またいつもの生活が始まりました。 この夏休み、あの子は、本当によく遊び、アルバイトも頑張りました。 夏休みの始まりには、勉強も頑張る、なんて宣言していたあの子ですが、毎年の如く、お盆が過ぎ、夏休みが残り僅かと…

あなたの居場所

あなたへ 先日、あの子と、お互いに、お盆期間中に見たあなたの夢の話をしました。 私が見たあなたの夢は、あなたが、帰って来てくれた夢でした。あの子と3人、家の中で過ごしながら、あなたをギュッと、抱きしめる夢でした。 あなたの温かさや筋肉の感触。…

雷の音

あなたへ 先日、こちらでは、バケツをひっくり返したような雨と、大きな雷が鳴りました。 幸い、停電にはなりませんでしたが、雷が苦手な私は、家にひとり、大きな雷の音に怯えながら、いつかの雷の夜を思い出していました。 あれは、あの子がまだ、小さかっ…

大切な人を想う顔

あなたへ 仕事からの帰宅途中、信号待ちをしている時のことでした。何気なく、歩道を歩く人を眺めていると、1人の人に目が止まりました。 携帯電話の画面を見て、とても嬉しそうな顔で立ち止まったスーツ姿の若い男性でした。 あまりにも嬉しそうで、なんだ…

20年の恋

あなたへ 私たちが出会った日のことを覚えていますか。 8月のとても暑い日。私たちは、あの日、突然に出会いましたね。 偶然を装いながら、出会ったあの日は、きっと、本当は必然だったのでしょう。 初めて会った日から、距離を感じることがなかったあなた。…