拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

お気に入りのフレーズ

あなたへ うちは、主人がうるさいものですから 初めてこんな言葉を使ったのは、 あなたと結婚して、間も無くの頃のことでした。 あれは、私ひとりで、家にいた日。 突然の訪問客に、何も考えずにドアを開けると、 そこに、笑顔で立っていたのは、新聞のセー…

逢えない時間を数えながら

あなたへ ねぇ、あなた 覚えてる? あなたの仕事が忙し過ぎて、全然逢えなかった時間があったね。 あれは、私たちが出会ってから、 どのくらいが経った頃だっただろう。 真夜中に、あなたからの着信。 逢いに行けなくて、ごめんねって、 電話越しのあなたの…

土用の丑の日

あなたへ あれは、いつかの土用の丑の日のこと。 鰻は、お酒で蒸すと、 ふわふわになって美味しくなるんだよ 会社の先輩から、そんなふうに教えて頂いた私は、 仕事から帰ると、早々に、 あなたとあの子が喜ぶ顔を思い浮かべながら、 晩御飯の支度に取り掛か…

恋話 -2019-

あなたへ あの子と始めて、恋の話をしたのは、 あなたを見送り、どれくらいが経った頃だったでしょうか。 あの頃、あの子の口から出た、 女ってさなんて言葉が、 可笑しくて楽しかった、あの子との恋の話。 もしも、あなたが此処にいてくれたのなら、 あなた…

青空

あなたへ こちらでは、曇りや雨の日が長く続いていましたが、 今日は、とても久し振りに、青空を見ることが出来ました。 この梅雨の間に、雨の日の楽しみ方を思い出した私ですが、 やっぱり、青空が一番好き。 休憩中に外へ出た私は、 空を眺めながら、沢山…

最後の応援団

あなたへ 俺が学校辞めたいって話した時にさ、 いつか学校辞めなくて良かったって、 そう思える日が来ると思うよって、言ってたけれど、 お母さんのあの言葉は、本当だったよ あの時は、そんな日は絶対に来ないと思っていたけれど、 本当に来たよ これは、野…

前髪 -2019-

あなたへ 前髪を切りました。 ずっと、あなたが切ってくれていたこの前髪を、 自分で上手に切れるようになったのは、 いつだっただろう。 初めて、前髪を上手に切ることが出来たあの日から、 一度も失敗せずに、切ることが出来るようになりました。 あなたを…

向き合わなければならなかった気持ち

あなたへ ここ最近のこちらでは、雨や曇りの日が続いています。 最後に青空を見たのは、いつだっただろうか。 考えてみても、思い出せないくらいに、 遠い過去のような気がしてしまいます。 晴れない空を、ただ眺めながら、 あなたのことを考えていたり、 何…

夢の中のあなた

あなたへ あなたとあの子と3人で、 ショッピングセンターへ出掛ける夢を見ました。 ショッピングセンターの駐車場は、大混雑だったけれど、 あなたは上手に混雑をすり抜けて、 すぐに駐車スペースをみつけてくれるの。 そうして、 デパートへ入ると、 最初に…

カワセミ

あなたへ あなたを見送り、気が付けば、 あまりテレビをつけることがなくなった我が家。 観たい番組は録画し、時間がある時に観る。 いつの間にかそのやり方は定着し、 ただ、テレビをつけておく時間は、 1日のうちに、朝の2時間程となりました。 最近のニュ…

なんでもない日のプレゼント

あなたへ 今日は、あなたにプレゼントがあるの。 ずっと、気になっていたもの。 あなたなら、きっと喜んでくれるかなって思って、 買っちゃった。 もしも、今、そちら側のあなたと話が出来るとしたなら、 どんな言葉を返してくれるのだろう。 あなたの場所に…

喧嘩をした記憶

あなたへ 曇り雲を眺めながら、 浮かない気持ちで、小さなため息を吐いたのは、 今更の、たくさんのごめんねを もう、生きているあなたに伝えることが出来ないのだと、 そんな気持ちになったからでした。 何故だか、あなたと喧嘩をしたことを思い出していた…

新しい料理

あなたへ あの子が高校に上がり、少しずつ、上達を感じた料理は、 相変わらず、苦手分野ではありますが、 最近の私は、また色々な新しい料理に挑戦しています。 職場の先輩に教わった料理や、自分で調べた料理。 今のところ、失敗もなく、順調に、新しい料理…

七夕の願いごと

あなたへ そちら側のあなたが たくさんの幸せに恵まれますように あの子の人生が 素晴らしいものでありますように 来世でも きっと あなたと結ばれますように これは、今年の私の願いごと。 今日は、7月7日、七夕の日です。 あなたは、知っていましたか。 七…

もうひとつの誕生日

あなたへ 七夕の日は、小さな命が、 このお腹の中に宿ったことを知った日 そうあの子に話したのは、 2年前の丁度、今頃のことでした。 七夕の日に俺の存在が分かったなんて、 ロマンチックだね じゃあ、七夕の日は、 もうひとつの俺の誕生日だね 私の話を聞…

6年後の応援団長

あなたへ あなたは、覚えていますか。 小学6年生だったあの子が、運動会の応援団長として、 立派にその成長を見せてくれた日のことを。 団長の証であるタスキを掛けて入場してきたあの子の姿は、 今でも忘れることが出来ません。 幼い頃からのあの子のことを…

3年目

あなたへ そちら側のあなたに、 始めて手紙を書いた日のことを、思い出していました。 あの頃の私は、あの夏にあなたを置いたまま、 前に進まなければならなかった自分が嫌で、 残酷に過ぎていく時間が、恐ろしくさえも感じていました。 あの夏が遠くなれば…